蘇生後脳症に対する治療を目的とする選択的脳冷却法の臨床試験が試みられているが、種々の副作用も報告されている。一方、薬剤誘発性低体温は、冷却装置のない施設でも脳障害の発生後直ちに導入可能である事から興味深い。我々は、本助成期間内にTRPV1アゴニストを用いた薬剤誘発性低体温とペルチェ型熱電素子を用いた冷却デバイスの温度制御動態を解析した。また、ラット用非開頭型局所冷却デバイスを用いた脳温制御の可否と永久脳虚血モデル及び一過性脳虚血モデルにおける保護作用の有無について検討した所、良好な脳温制御と脳保護効果が得られる事を確認した。
|