研究課題/領域番号 |
23659759
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
公文 裕巳 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30144760)
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研究分担者 |
狩山 玲子 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (40112148)
村上 圭史 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (10335804)
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キーワード | アシネトバクター / 細菌 / 多剤耐性菌 / 感染症 / アウトブレイク / バイオフィルム / 抗バイオフィルム剤 / 新規治療法 |
研究概要 |
多剤耐性アシネトバクターに対する院内感染対策が喫緊の課題となっている。本研究では、アシネトバクター(Acinetobacter baumannii)を対象として新規の抗バイオフィルム剤を探索することにより、本感染症に対する予防法・治療法の確立を目指した。 1)平成23年度の研究成果として、新規マイクロデバイス(bio観る)を用いるフローセルシステムにおいて、人工尿の潅流で密度の高い均質なバイオフィルムを形成する多剤耐性A. baumannii株(2株)を見出した。そのうちの1株(FUA-2)を用い、クオラムセンシング阻害剤(QSIs)および各種抗菌薬の薬効評価(単剤・併用)を行うための予備実験を実施した。 2)In vitro 実験系(フローセルシステム): バイオフィルム形成と剥離に及ぼす効果を検討した結果、ホスホマイシンの効果が顕著であった。 3)In vivo 実験系(マウス大腿部感染モデル): 感染10時間後の生菌数測定において、QSI-1とビアペネムあるいはタゾバクタム/ピペラシリンとの組み合わせで若干の併用効果を認めた。 4)自己発光株の作製: IVISを使用したリアルタイムイメージングを利用して薬効評価を行うために、自己発光株の作製を試みた。Caliper Life Sciences/Xenogen社から購入したベクターpXen13中の発光遺伝子luxCDABEオペロンをアシネトバクター用シャトルベクターであるpMU125にクローニングし、アシネトバクターに形質転換する実験を立案したが、このベクターが非常に不安定であったため、クローニングが不可能であることが判明した。そこで、臨床分離株が保有するプラスミドを用いる実験に変更して実施することにした。
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