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2012 年度 実施状況報告書

卵巣癌におけるエピゲノム変異制御因子と標的分子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 23659769
研究機関東北大学

研究代表者

八重樫 伸生  東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00241597)

研究分担者 大槻 健郎  東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (40531330)
キーワード卵巣癌 / 分子標的遺伝子 / DNAメチル化
研究概要

卵巣癌では、エピジェネティックな修飾の異常が、がん関連遺伝子に広範に癌早期からみられる点に注目し、エピゲノム変異を起こす制御因子を同定し、病態との関連性、遺伝子診断や分子標的治療の開発を本研究の目標とした。また、診断、予防あるいは治療効果の判定に必要な新規バイオマーカーを開発することを目標とした。これまでに、in vitro実験系では、メチル基供与体の合成酵素遺伝子MAT2Aが卵巣癌細胞株の増殖に必要であること、癌抑制遺伝子RB1のDNAメチル化制御にMAT2Aが関与することを明らかにしている。本年度は、in vivo実験系として、卵巣癌組織を用いてMAT2Aおよびターゲット遺伝子RB1の発現を解析し、検証した。その結果、卵巣癌組織のほぼ全例でMAT2Aの発現増加は観察され、組織分類では、漿液性卵巣癌で最も発現の亢進がみられた。さらに、卵巣癌進行期が悪い症例では、MAT2Aの発現量が有意に増加していることが明らかとなった。一方でRB1の発現はほとんどの卵巣癌で減少しており、一部の検体でDNAのメチル化異常、遺伝子欠損、および遺伝子変異が見られることを確認した。また、正常組織ではMAT2Aの発現増加およびRB1の発現減少は認められなかった。これらの結果より、MAT2A遺伝子の過剰発現がRB1遺伝子のプロモーター領域のメチル化異常を引き起こし、癌化を誘導する可能性が示唆され、MAT2Aの発現量が卵巣癌の悪性度を解析するための新規腫瘍マーカーとなりうることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通り、研究は実施できた。卵巣癌組織を用いてMAT2AとRB1の発現を解析した。解析半ばであるため、さらに症例数を増やし、組織型分類、進行期分類、その他 年齢、BMIなど考慮した解析を今後行う計画である。

今後の研究の推進方策

最終年度は、マウスを用い阻害剤の開発と臨床応用への可能性を探索する。また、新規マーカーをして応用可能か多数例のがん患者、正常な女性を対象に検討していく。

次年度の研究費の使用計画

次年度使用額は今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額であり、平成25年度請求額と合わせ、平成25年度の研究遂行に使用する予定である。

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公開日: 2014-07-24  

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