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2011 年度 実施状況報告書

早産の分子メカニズムとその予防について

研究課題

研究課題/領域番号 23659771
研究機関群馬大学

研究代表者

木暮 圭子  群馬大学, 医学部, 助教 (00598609)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードcAMP / AM / LH-R / 子宮収縮 / 炎症
研究概要

幼若ラットにPMSG-hCGを投与する排卵誘導実験において、子宮におけるLH-R mRNAの減少を認めたが、このとき同時にメバロネートカイネース(Mvk)を測定するとPMSG投与後に上昇後減少するパターンを示し、子宮においても卵巣同様に本酵素がレセプターmRNAに対して結合蛋白として働き、LH-R mRNA発現を減少させている可能性が考えられた。子宮LH/hCG受容体の機能をみるため、細切した子宮にhCGを添加した後cAMP産生を測定すると量依存的にcAMPの上昇がみられ、本レセプター蛋白が機能を持つことが示された。さらに免疫染色において子宮内膜に特異的に染色されることより、本レセプターは子宮内膜に発現していることが示された。ヒト分泌期の子宮内膜にも染色されるLH-R蛋白が確認されたので、妊娠中の子宮におけるLH-Rの局在を検討する予定である。一方、血中AMレベルに関しては、単胎より双胎、三胎と母胎血中で上昇していることが判り、胎盤の高濃度AM mRNA発現からもAMが妊娠中は主に胎盤より分泌していることが判明した。このAMは、レセプターを介して細胞内cAMPを上昇させることから、子宮筋の弛緩に働いている可能性がある。また、妊娠が進行するに従い、分泌量が増加し、正常女性血中レベルをはるかに超える量であることから妊娠中に特異的に作用するメカニズムがあることが考えられた。このことから、妊娠維持に関与すると予測して、妊娠高血圧症候群の血中レベルのAMを測定したが同時期の正常レベルと有意差はなかった。今後は、炎症などのための切迫早産例での検討を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ラットの子宮を用いた実験では、AMとLH-Rの発現は確認できたが、ヒトのサンプルを用いての実験が進んでいない。しかし、ホルマリン固定された子宮のサンプルを用いても免疫組織染色が可能であることが判明したので今後検討を進めることが可能となると予想される。

今後の研究の推進方策

ラット卵巣を用いた実験では、LH-RとAMの発現量が多いため実験が進めやすく、発現量の変化や局在の特定がしやすかったが、子宮でのそれぞれの物質の発現量が少なく、量的変化を追及することに困難が予想される。さらにヒトの子宮をサンプルとすることでの制約がかかり、進行に懸念があるが、免疫組織による発現局在やホルモン分泌の時期の特性を知ることにより、性周期の時期に狙いをつけて実験が可能となる。サイトカインの影響に関しても、卵巣の細胞では強いLH-R の発現に対する影響が観察できたので、子宮内膜初代培養系をもちいて、サイトカインの影響を検討する予定である。

次年度の研究費の使用計画

子宮内膜のRNA抽出の試薬や染色のために必要な抗体などの試薬に使用することが主になる。また、培養系が確立できた場合は、培養に必要な培養器具、試薬に使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] CA125再上昇後、1年以上臨床的徴候が認められなかった卵巣癌再発の1例2011

    • 著者名/発表者名
      青木 宏
    • 学会等名
      第63回日本産科婦人科学会学術講演会
    • 発表場所
      大阪国際会議場(大阪)
    • 年月日
      2011年8月30日

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公開日: 2013-07-10  

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