研究課題/領域番号 |
23659781
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
杉野 法広 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10263782)
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研究分担者 |
村上 明弘 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (70379965)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 皮膚 / SCC / カルシウム / 扁平上皮細胞 |
研究概要 |
正常扁平上皮細胞において、細胞外カルシウム濃度変化に伴う細胞分化と細胞接着因子の発現の変化、およびSCC発現変化を検討した。 ヒトケラチノサイトを無血清培地で培養し、培養液中のCa濃度を0、0.01、0.1、1.0 mMに調整した。1. 細胞形態と細胞動態について:Ca濃度が0 mMでは細胞の大きさは小型で細胞の増殖は遅く、細胞間の接着は粗であった。 Ca濃度が0.1mMを超えると細胞間は近接する傾向にあり、特に1.0mMでは細胞同士が密着し、一部重層化を認めた。2. 細胞内のSCCA発現について:Western blotでSCCAの発現を検討した。Ca濃度が0 mM ではSCCAは低発現であったが、0.01mM以上でSCCAの発現上昇を認めたが、Caの濃度依存性にSCCAの発現上昇は認めなかった。3. 扁平上皮の分化マーカーであるインボルクリンの発現について:Western blotでインボルクリンの発現を検討した。インボルクリンの発現は、0 mM では低発現であったが、0.01mM以上で発現上昇を認めたが、Caの濃度依存性にインボルクリンの発現上昇は認めなかった。4. E-カドヘリンの発現について:Western blotでE-カドヘリンの発現を検討した。Ca濃度が0 mM ではE-カドヘリンの発現を認めず、0.01 mM以上でE-カドヘリンの発現を認めたが、Caの濃度依存性のE-カドヘリンの発現上昇は認めなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度の研究計画である「正常扁平上皮細胞において、細胞外カルシウム濃度変化に伴う細胞分化と細胞接着因子の発現の変化、およびそれに関わるSCC 抗原の役割を明らかにする。」について、研究成果を得ている。
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今後の研究の推進方策 |
1. 細胞外カルシウム濃度の増加にともなう細胞分化と細胞間接着因子の増加が、SCC抗原の細胞内発現の低下によって影響うけるかを調べる。SCC 抗原の発現を抑制するために SiRNA法によってSCC抗原遺伝子のノックダウンを行う。この細胞を用いて、細胞外カルシウム濃度の増加にともなう細胞分化と細胞間接着因子の発現を検討する。2.「SCC抗原に扁平上皮細胞の角化抑制作用と、実際に皮膚層構造の肥厚促進作用があるかを明らかにする。」の準備実験に取り掛かる。ヒトケラチノサイトによって構成された皮膚3次元モデル(EP1-100, KURABO Co. Ltd)を確立する。このモデルは、基底層から顆粒層まで8~12層を形成している他、角質層も有している。層構造の形態学的な変化や構成細胞の形態を観察する。特に、角質層の厚さと、有棘層から顆粒層の厚さを測定する。
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次年度の研究費の使用計画 |
1. 細胞培養実験に係わる経費2. ヒトケラチノサイトによって構成された皮膚3次元培養モデルの購入とその培養実験経費3. 当該年度の研究費に未使用額が生じた理由は、培養実験に係わる一部の試薬などの購入が24年度に変更になった為である。4. 未使用額は、皮膚3次元培養モデルの購入にあてる。
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