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2011 年度 実施状況報告書

不妊病態に関わるCD9およびエキソソームの卵管/子宮内における働き

研究課題

研究課題/領域番号 23659788
研究機関独立行政法人国立成育医療研究センター

研究代表者

宮戸 健二  独立行政法人国立成育医療研究センター, 生殖・細胞医療研究部, 室長 (60324844)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードCD9 / エキソソーム / 子宮内膜 / 再生 / VEGF
研究概要

申請者らは、受精における精子と卵の融合を制御する卵側因子として膜4回貫通型タンパク質CD9を主な構成成分とする膜構造体(exosome, エキソソーム)が必須であることを明らかにしてきた(Miyado et al., PNAS, 2008)。さらに最近のわれわれの研究から、CD9を含むエキソソームは、卵ばかりでなく、マウスおよびヒトの子宮内にも存在することがわかってきた。そこで本研究では、卵管から子宮内に存在するCD9を含むエキソソームの生理機能、特に、"子宮上皮の再生"における役割について研究を行っている。子宮の機能異常については、CD9欠損マウスに卵特異的にCD9-GFPの融合タンパク質を発現するトランスジーンを導入したマウス(CD9-/-TGマウス)を用いて解析を行った。現在までに、CD9-/-TG雌マウスの産仔数が、野生型マウスと異なり、出産回数にともなって減少することを見出している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成23年度に行った解析の結果、CD9-/-TG雌マウスの出産回数にともなった産仔数の減少は、子宮上皮細胞の再生が遅延していることに起因していることを形態学的に明らかにした。更に、細胞接着因子であるインテグリンα6およびE-カドヘリンのCD9-/-TG雌マウスの子宮上皮細胞における局在は、野生型マウスと同様であったのに対して、CD98の局在には異常が認められた。更に、子宮内液における液性因子の定量を20因子について行ったところ、VEGFを含む8因子について発現の低下が認められた。

今後の研究の推進方策

平成23年度の研究を継続するとともに、新たなエキソソームの解明に関する実験系を立ち上げる。エキソソームを分泌する細胞を特定する目的で、組織を3つの領域に分割し、ウエスタンブロット解析により、各領域に含まれるCD9の蛋白質量を定量することで、エキソソームの存在量を推定する。更に、トリプシン処理によって組織を細分化して初代培養することによりエキソソームを分泌する細胞を同定する。

次年度の研究費の使用計画

平成24年3月31日現在で発生していた残額については、既に3月中に支払い予定が確定しているため、24年度中に使用する予定はない。当初の交付申請通りの研究費にて研究資材、研究試薬、実験動物を購入予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] CD9 is critical for cutaneous wound healing through JNK signaling.2012

    • 著者名/発表者名
      Zhang J, Dong J, Gu H, Yu S, Zhang X, Gou Y, Xu W, Burd A, Huang L, Miyado K, Huang Y, Chan HC.
    • 雑誌名

      Journal of Investigative Dermatology

      巻: 132 ページ: 226-236

    • DOI

      10.1038/jid.2011.268

    • 査読あり
  • [雑誌論文] GSTT1 is upregulated by oxidative stress through p38-MK2 signaling pathway in human granulosa cells: possible association with mitochondrial activity.2011

    • 著者名/発表者名
      Ito M, Imai M, Muraki M, Miyado K, Qin J, Kyuwa S, Yoshikawa Y, Hosoi Y, Saito H, Takahashi Y.
    • 雑誌名

      Aging

      巻: 3 ページ: 1213-1223

    • 査読あり
  • [雑誌論文] β-catenin is a molecular switch that regulates transition of cell-cell adhesion to fusion.2011

    • 著者名/発表者名
      Takezawa Y, Yoshida K, Miyado K, Sato M, Nakamura A, Kawano N, Sakakibara K, Kondo T, Harada Y, Ohnami N, Kanai S, Miyado M, Saito H, Takahashi Y, Akutsu H, Umezawa A.
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 1 ページ: 68

    • DOI

      10.1038/srep00068

    • 査読あり
  • [学会発表] 精子と卵子の融合メカニズム:感染症と生殖をつなぐ構造体2011

    • 著者名/発表者名
      宮戸健二
    • 学会等名
      第52回日本哺乳動物卵子学会
    • 発表場所
      国際医療福祉大学本校、大田原
    • 年月日
      2011年5月11日
  • [図書] In Embryology- Updates and Highlights on Classic Topics2012

    • 著者名/発表者名
      Imai M, Qin J, Yamakawa N, Miyado K, Umezawa A, Takahashi Y.
    • 総ページ数
      20
    • 出版者
      InTech Open Publisher

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公開日: 2013-07-10  

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