研究課題
急性期原田病の患者末梢血で増加しているCD4陽性T細胞のクローンの検討をT細胞受容体の相補性決定領域3(CDR3:最も多様性に富む領域)を解析することで行っており、24年度までにVKH患者で認められる事の多いクローンAが見つかった。25年度はこの確認実験を主体に行っている。対照として原田病でないぶどう膜炎患者3例で同様な方法で検討したところクローンAは認められなかった。クローンAの定量的検定のためReal-time PCRを実施したところ、原田病15例中9例、治療後10例中0例、原田病以外のぶどう膜炎5 例中0例でクローンAのmRNAが確認された。Real-time PCRでクローンAを検出することは原田病の新しい診断法として応用できる可能性がある。
3: やや遅れている
最近に実施した原田病患者末梢単核球の検討でクローンAが確認されず、セルソーティングでの抽出ができない状態である。また、T細胞受容体の相補性決定領域3のシークエンス解析の精度が下がり、この修正を行ったためやや遅れた。real time PCRでの検討や原田病以外を対照とした検討を加え、結果の信頼性を上げている。
クローンAが原田病に特異的なものかを充分に確認した上で、その抗原ペプチド同定をすすめる。最近に実施した原田病患者末梢単核球の検討でクローンAが確認されなかったことより、クローンAとCDR3の配列を共有するクローンが認められないか検討を拡げている。
T細胞受容体の相補性決定領域3のシークエンス解析の精度が下がり、この修正を行ったため実験がやや遅れた。クローンAの疾患特異性の確認のため、原田病以外のぶどう膜炎での検討数を増やす。
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Int Ophthalmol.
巻: Epub ahead of print 2013 ページ: 未定
10.1007/s10792-013-9849-9
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol.
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