従来の線維柱帯切開術を改良し、より確実にシュレム管を開放して大きな眼圧下降効果を得る手術を開発することを目的とする。実験には摘出豚眼を用いた。150゜の長いトラベクロトームをシュレム管に挿入した後、それをガイドにして新開発の2枚刃のゴニオトミーナイフを用いて、200μmの幅で線維柱帯組織を切除した。最初の試作品であるクレセントナイフを重ねたものでは2本の切開線にならず、1本の創口からトラベクロトームが脱出したが、スリットナイフを重ねた試作品では、予定通り200μmの幅で線維柱帯組織が切除された。しかし、使用後の刃先の電顕写真では刃こぼれが認められた。安全なトラベクロトームの素材を検討し、更に開発を進めていく予定である。
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