研究課題/領域番号 |
23659816
|
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
篠宮 克彦 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50585289)
|
研究分担者 |
横井 則彦 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60191491)
上田 真由美 同志社大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (60398386)
|
キーワード | ドライアイ / ドライアイモデルマウス / 眼窩外涙腺 / 眼窩内涙腺 / インフラマゾーム |
研究概要 |
平成25年度は昨年度までに確立した眼窩外涙腺摘出ドライアイモデルマウスの問題点をクリアするため、動物モデルの改良を主に行った。新規に開発した動物モデルの有用性の知見に関して、国内1報の学会発表(第38回日本角膜学会総会)を行った。 (1)平成25年度の研究成果 これまでのドライアイモデルマウスでは炎症反応の惹起が不十分であった。そのため、より強い炎症を惹起できる可能性がある眼窩内・外涙腺摘出モデルの検討を行った。LysM-eGFPおよびC57BL/6マウスの眼窩内・外涙腺を摘出し、ドライアイを惹起させた際の角結膜の炎症性変化を組織学的に検討した。その結果、ドライアイ眼において結膜下に強い炎症性細胞浸潤が観察され、眼窩外涙腺のみ摘出モデルに比べて炎症反応は有意に強かった。また角膜にも強い炎症性変化が確認された。さらにLysM-eGFPマウスでは、浸潤する炎症性細胞はその多くがeGFP由来の蛍光を発しており、本モデルでは好中球主体の強い炎症反応が見られることが判明した。 (2)研究期間全体の成果 ドライアイとインフラマゾームの関連を明らかにするため、ドライアイモデルマウスの作製を検討した。種々のモデルのうち、眼窩外涙腺摘出、あるいは眼窩内・外涙腺摘出モデルがドライアイ状態を良好に維持でき、眼表面の炎症を観察するために有用であるモデルであることが判明し、眼表面の炎症性変化を組織学的にも検討した。これらのモデルの眼表面では強い炎症性変化が観察された。さらに眼窩外涙腺摘出モデルでは涙液中のIL-1βが有意に増加していた。しかしインフラマゾーム形成カスケードにおいて必要とされるIL-1β変換酵素(caspase-1)を欠失させたcaspase-1 KOマウスにおいても涙液中IL-1βの増加が認められた。以上より、ドライアイにおける炎症反応にはインフラマゾームは関連していない可能性が示唆された。
|