研究課題/領域番号 |
23659819
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
渡邉 慧 順天堂大学, 医学部, 助手 (40596631)
|
研究分担者 |
木村 至 順天堂大学, 医学部, 准教授 (60296663)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
|
キーワード | 緑内障 / 眼循環 / 動脈硬化 / プロスタサイクリン / 一塩基多型 |
研究概要 |
本研究は緑内障の発症に血管生理の関与が示唆されてきていることに着目した。975例のgenomic DNAを遺伝子解析に使用し、アミノ酸置換を伴うプロスタサイクリン受容体のSNPの2種類についてinvador法にて検索を行ったが、rs4987262について緑内障患者のみ14例に発現し、正常対照には発現していないことが明らかとなり、緑内障発症の原因遺伝子であることが考えられた。このことは、当該遺伝子多型をもつ患者はすべて緑内障を発症していることを示している。この結果より、血管因子の遺伝子多型が原因と推測される緑内障を発症する患者が存在することが明らかとなり、その変異型受容体をコードする遺伝子が明らかとなった。本研究は、1)rs4987262のSNPが見出される緑内障患者を極力多数得て、その緑内障病型について検討を行い、2)循環器病学的精査を併せて行うことにより、心血管疾患との関連についても検討を行う、3)変異型プロスタサイクリン受容体 (R212C)を過剰発現させたノックインマウスを作製し、分子細胞生物学および病理組織学的に検討し、緑内障発症のメカニズムを明らかにし、心機能のチェックも行う、4)変異型受容体を培養細胞に過剰発現させたin vitroにおける検討を行う、5)プロスタサイクリン受容体異常性緑内障ともいえるこのタイプを標的とした緑内障治療を開発すること、に大別される。 現在日常の臨床において静脈採血によりgenomic DNAを収集し、解析準備を進めている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成23年度当初予定されていた大学院生による本研究テーマへの取り組みが不可能となったため。ただし、平成24年度には改めて大学院生が本研究課題に取り組むこととなり、進捗が見込める。
|
今後の研究の推進方策 |
平成24年度については新しく大学院生を迎え入れ、本研究課題に取り組むことが決まっているため、人材と時間を本研究課題に投入し、精力的に研究を進めていく。
|
次年度の研究費の使用計画 |
平成23年度についてはモデル動物の作製までは実施できなかったため、予定通りの研究費使用ができなかったが、平成24年度にはモデル動物作製に取り組み、臨床病型検討のほか培養細胞を用いた基礎実験を併行して実施し、研究計画を進めていく。
|