研究課題/領域番号 |
23659825
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山本 有平 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70271674)
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研究分担者 |
古川 洋志 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00399924)
小山 明彦 北海道大学, 大学病院, 講師 (70374486)
舟山 恵美 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10533630)
林 利彦 北海道大学, 大学病院, 助教 (00432146)
齋藤 亮 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (70507574)
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キーワード | ケロイド / 創傷治癒 / 増殖因子 / サイトカイン |
研究概要 |
肝細胞増殖因子(hepatocyte growth factor、以後HGFとする)がケロイド線維芽細胞に対してもTGF-β抑制効果を示すことを前年度内に示した。HGFのTGF-β拮抗機序としてコラーゲン転写抑制の可能性が考えられた。当該年度においては、HGFのコラーゲン転写抑制機序の詳細について明らかにすることを試みた。 TGF-βが細胞膜上の受容体に結合した後の細胞内伝達経路やコラーゲン転写機構は過去の報告により明らかとなっており、TGF-βによって刺激されたSmad3が核内に移行しコラーゲン転写が促進される。HGFはこれらの経路の一部を抑制している可能性がある。細胞染色、ウェスタンブロットにより検証した。 ケロイド線維芽細胞に対してTGF-β単独、HGF単独および両者の同時刺激を行った。刺激後の細胞におけるSmad3の細胞内局在を細胞染色で検討した。TGF-β刺激によってSmad3の核内の分布が増加する像が得られた。一方、HGF刺激の加わった細胞では、Smad3の核内分布の増加は見られなかった。 同様に、ケロイド線維芽細胞をTGF-β、HGFで刺激し、刺激後の細胞から核内タンパク、細胞質内タンパクを回収しウェスタンブロットで検証した。TGF-β刺激によって核内のSmad3発現が増加したが、HGFの刺激が加わった細胞では核内のSmad3発現の増加が抑制される可能性があった。 よって、当該期間において、HGFのケロイド線維芽細胞におけるTGF-βへの拮抗機序として、TGF-βが受容体に結合した後の細胞内伝達系をブロックする可能性があることを示すことができたといえる。
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