研究課題/領域番号 |
23659828
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
成島 三長 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80431873)
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キーワード | 神経 / 軸索 / 再建 / イカ |
研究概要 |
癌などの腫瘍切除後、マイクロサージェリー技術を用いて神経吻合・神経移植・血管付き神経筋移植などを行っている。しかし神経再生のための足場を構築しているに過ぎない。欠点としてI)神経再生までに一般的に数カ月かかり、効果器である筋などは再生神経到達前に萎縮してしまい本来の機能回復を得られない。II)神経軸索再生時に神経鞘が瘢痕化し再生軸索数が制限されることがあげられる。今回の研究でこれらの欠点を突破する神経軸索融合を目指す基礎的実験を行っている。細胞内骨格およびモータータンパクなどの移動などが“生きたまま”可視化でき、電気生理学的手法の併用で、Waller変性回避の 細胞内変化と機能回復過程とが同時に確認することを目的として実験を行った。平成24年度は生きたヤリイカ(冬季)およびスルメイカ(夏季)を用いて、平成23年度にて確立が出来ていない、軸索内輸送の蛍光観察手法を確立をめざした。 1)巨大軸索の正常軸索内輸送の観察手法を確立するため、現在他の蛍光マーカー(JC-1等)による染色実験及び光学顕微鏡による観察実験を計画した。 2)筋電図および神経伝導速度等の計測データについて検討を行いつつ、来年度圧迫挫滅実験を行いそのデータを集積する予定である圧迫挫滅実験の電気生理学的・分子解剖学的データおよびスミソニアン博物館のデータをもとにその再生過程を比較検討することとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成24年度は昨年切断後再接合の前段階として活イカを用いて冷水麻酔下に背側より巨大軸索を露出させ, In vivoで実験を行っていたが、実験中に起こるイカの急激な内腔圧上昇による内臓破裂を経験していた。特に神経露出時にイカが暴れることから、痛みを感じている可能性が考えられたため、神経節に神経ブロックを行う手法を開発し、これにより神経の露出および刺激挫滅実験を安定的に行うことが可能となった。 ・In vivoにおける正常活イカ軸索の電気生理学的データを取得した。 1)軸索内ミトコンドリアを蛍光マーカーとしてmitotrackerやJC-1にて染色実験をおこなったが、観察は困難であったため、現在他の蛍光マーカーによるミトコンドリア以外の染色実験を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
1)軸索内ミトコンドリアを蛍光マーカーとしてmitotrackerやJC-1にて染色実験をおこなったが、観察は困難であったため、現在他の蛍光マーカーによるミトコンドリア以外の染色実験を行っている。 2)圧迫による軸索挫滅後、軸索機能再生の変化を経時的に電気生理学的手法および分子解剖学的手法を用いて観察については、昨年度から行っている圧迫挫滅実験を追加で行いそのデータを集積する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度の実験データの解析まとめと追加実験を行う。平成24年度にも確立が出来ていない、軸索内輸送の蛍光観察手法を確立する。手法の確立後In vivoにおける正常活イカ軸索切断後の再生に関する検討を圧迫実験と同じ手法を用いて行い、分子解剖学的データを比較検討する。これと並行して圧迫実験による電気生理学的変化のデータを取得する。。 上記が予定通り遂行されれば、東京大学工学部と協力し、電気的細胞融合法を用いた細胞融合法の確立をめざす。軸索に孔を作成しこれをシーリングすることをめざす。
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