研究課題/領域番号 |
23659830
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
柴田 実 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50196432)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | p-GAP-43 / RT 97 / 抗GAP-43抗体 |
研究概要 |
平成23年度目標:Basic Modelを用いた神経成長円錐発現生理の検討(1)研究代表者は研究協力者から十分量のS96、T172リン酸化特異抗体(p-GAP-43)の提供をうけた。(2)研究代表者によるBasic Modelの作成、大学院生指導を行い、筋皮、正中、尺骨、橈骨神経のそれぞれで外傷を加えた部位から5mm近位および遠位で標本作製・抗体染色を行い成長円錐の出現・分布を検討した。今回の実験では,抗ニューロフィラメント抗体(RT 97)と抗リン酸化GAP-43抗体(p-GAP-43)を用いてその特性を検討した。結果:RT 97は正常軸索,再生軸索,変性軸索の全てを標識したが,p-GAP-43は再生軸索のみ標識できたため,再生軸索の走行,分布をよりはっきりと示すことができた。これまでに用いられてきた抗GAP-43抗体(GAP-43を広く標識する)と比べても,p-GAP-43の方がより再生軸索を特異的に標識できた。また,再生軸索を特異的に標識できたため,成長円錐の位置,形状の同定には特にin vivoでは有効だと考えられた。しかし,再生軸索に対する感度としては,定量化して比較してはいないが,RT 97の方が優れている印象が得られた。また,p-GAP-43は,軸索の長軸では数珠状に染まって見えるので,切片で観察すると1本の軸索を連続して追跡するのは困難である可能性が高いと考えられた。神経ホールマウント標本でRT 97とp-GAP-43の比較を行おうとしたが,バックグラウンドが強く出て,目的の染色ができていないので24年度検討課題の一つとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記研究実績に述べたように23年度の目標はほぼ達成するすることができた。今回、未解決事項として神経ホールマウント標本でRT 97とp-GAP-43の比較を行おうとした。しかし、バックグラウンドが強く出て,目的の染色ができていないので24年度検討課題の一つに加えた。24年度は予定どおり、p-GAP-43を重要なマーカーとして神経端側接合モデルによるの神経再生を検討する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度目標:神経発芽の様式・生理を検討する 1) 神経端側接合モデルにおけるsproutingの開始、部位、経時的変化の検討尺骨神経上腕遠位部を用いてepineural windowを作成し神経線維のwindowからのherniationにより、神経損傷が起きるか否か検討(window作成後12時間、24時間、3日、7日でマーカー染色)成長円錐発現分布、単位面積あたりの定量測定を行う2)支配髄節の重複しない尺骨神経幹に筋皮神経遠位端を端側接合し、発芽状況を検討する(12時間、24時間、3日、7日でマーカー染色)成長円錐発現分布と単位面積あたりの定量測定する
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次年度の研究費の使用計画 |
必要マーカーの購入、ラット購入・飼育、環流固定、染色などに必要な消耗材料の購入および学会発表、論文作成・校正費用などが主な使用目的になると考えられる。
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