脂肪由来幹細胞分泌因子のリンパ管内皮細胞に対するリンパ管新生の直接作用の有無については不明である。本研究では、リンパ管内皮細胞を脂肪由来幹細胞分泌因子で刺激し、リンパ管内皮細胞の増殖、移動、管腔形成への効果をリコンビナントVEGF-C製剤と比較して評価した。さらに、脂肪由来幹細胞の分泌するリンパ管新生因子の定量を行った。結果、脂肪由来幹細胞分泌因子は、リンパ管内皮細胞の増殖、移動、管腔形成を促進し、リンパ管新生作用を示した。いくつかのリンパ管新生因子が飢餓状態で強く分泌される所見も見られた。脂肪由来幹細胞がリンパ浮腫の新しい治療法となり得るかもしれないと考えられた。
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