研究課題/領域番号 |
23659836
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
貴志 和生 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40224919)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 幹細胞 / 培養 / 凝集 |
研究概要 |
C57bl/6Jマウス成獣皮膚組織から線維芽細胞を、10%FBS添加DMEM培地を用いて、増殖させた。15-20継代培養を行った後に、細胞を回収し超親水性培養皿上で培養を行った。これまでの研究から、非接着性培養皿に変更後に同様に血清添加培地を用いていると、細胞が脂肪に分化することが分かっているので、培地はSkpsの培養と同様の、bFGF(40ng/ml),EGF(20ng/ml)を添加したHamF-12無血清培地に変更した。非接着性培養皿で培養を開始し、経時的に細胞凝集塊を形成した培養細胞と、同じく2次元培養で培地のみ無血清培地に交換をしたものからRNAを抽出し、cDNAに変換した後にreal time PCRにより、これまでに報告されている様々な未分化幹細胞で発現しているとされる遺伝子発現につき、経時的な変化を検討した。コンフォーカルマイクロスコープを用いて細胞内の局在を検討した。そうすると、Sca-1,nestinなどの未分化マーカーの不均一な分布が認められた。その後、非接着性培養皿で3週間培養し、細胞凝集塊を形成した細胞、ならびに接着培養で培養を行いその後無血清培地に交換したそれぞれの細胞からmRNAを抽出した。rael time PCRによる検討では、CD133を含めた様々な未分化マーカーの上昇が認められた。また、免疫染色では、これらの未分化マーカーは一様には発現していなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね順調だが、平成23年度で予定していた網羅的解析は、時間的余裕の不足から行っておらず、この分が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
前年度で使用する予定であった資金の一部を用いて、網羅的解析を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成23年度は、マンパワー不足のため網羅的解析までは到達できなかった。平成24年度の研究で、網羅的解析後に最も未分化な状態に変化した培養条件を用いて、GFPマウス由来線維芽細胞を用いて検討を行う。成獣オスC57blマウスの背部真皮内に培養を行った細胞凝集塊をインスリン針を用いて移植を行う。移植後すぐに、移植部にメス11番を用いて皮膚全層切開創を作成する。創作成後1週、2週、4週で創を含めた皮膚を回収し、創傷治癒における移植細胞の影響を、コンフォーカルマイクロスコープを用いて検討を行う。また、同じサンプルを用いて、keratin 5, α-smooth muscle actin, vimentinの免疫染2重染色を行い、移植細胞がどのような細胞に変化したかを検討する。同様に、GFP由来の細胞凝集塊を皮下および腎皮膜下に移植を行い10ヶ月後に回収し、腫瘍原性の有無を、形態的に検討する。
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