研究課題/領域番号 |
23659837
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
渡辺 あずさ 昭和大学, 医学部, 助教 (20407571)
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研究分担者 |
加王 文祥 昭和大学, 医学部, 准教授 (10327893)
大久保 文雄 昭和大学, 医学部, 教授 (30223762)
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キーワード | 肝斑皮膚モデル |
研究概要 |
本研究の目的はメラノサイトを導入したヒト皮膚モデルを組織工学、再生医療の手法を用いて改良して、肝斑の病態をシミュレーションしうる皮膚モデル作製に挑むことである。このヒト皮膚モデルは同質のものを大量に作ることが可能なので、動物やヒトでは通常出来ない分単位、時間単位での非常に短い時間ごとの標本採取や、現実には起き得ない過酷な条件下での治療効果の検討などに用いることができる。 このモデルを用いて肝斑の治療法としてよく行われているレーザートーニング、Intense Pulsed Light (IPL)治療、ハイドロキノン、レチノイン酸、トラネキサム酸、ビタミンCの作用機序を探り、またその至適治療条件のスクリーニングを行う。これにより既存の治療法の効果の比較を行うことができるようになり、肝斑治療の標準的なプロトコールの確立、新たな治療法の開発、評価法の確立につなげる。 昨年度は肝斑皮膚モデルの作製法を確立するために、今までに確立した表皮内にメラノサイトを含む肝斑皮膚モデルを改良して、新たに真皮層内にもメラノサイトが落ち込んだ深在性肝斑皮膚モデルの作製法を確立したが、本年度はこれについては現在知的財産権の申請を行った。このため、改めてこれを用いた試料を作成しての追加実験を本年度から来年度にかけて行うこととした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
肝斑皮膚モデルの作製法を確立するために、今までに確立した表皮内にメラノサイトを含む肝斑皮膚モデルを改良して、新たに真皮層内にもメラノサイトが落ち込んだ深在性肝斑皮膚モデルの作製法を確立した。これについては本年度知的財産権の申請を行った。 さらにMTTアッセイ法による標本内の細胞数の計測と各種コラーゲン量の定量、各種メラニンの定量法を本実験の評価方法として確立するために現在実験を継続している。 予定では平成24年10月までに試料の組織学的分析を終え、平成25年3月までにOCT機器の画像と比べ併せて研究成果をとりまとめる予定であっが、改めて新しい改良された皮膚モデルを用いた試料を作成しての追加実験を来年度に行うこととした。
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今後の研究の推進方策 |
新しく改良された皮膚モデルを用いた試料を作成しての追加実験を改めて来年度に行うこととした。従来からの病理学的手法とは直接関係のない定量PCR法、RT-PCR法による各種増殖因子、各種コラーゲンの遺伝子発現評価法を確立する。それから再度OCTによる評価法を確立に挑戦する。
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究の目的はメラノサイトを導入したヒト皮膚モデルを組織工学、再生医療の手法を用いて改良して、肝斑の病態をシミュレーションしうる皮膚モデル作製に挑むことである。新しく改良された肝班皮膚モデル皮膚モデルの作製には成功したので、これを用いて肝斑の治療法としてよく行われているレーザートーニング、Intense Pulsed Light (IPL)治療、ハイドロキノン、レチノイン酸、トラネキサム酸、ビタミンCの作用機序を探り、またその至適治療条件のスクリーニングを行い、肝斑治療の標準的なプロトコールの確立、新たな治療法の開発、評価法の確立につなげる。 まず定量PCR法、RT-PCR法による各種増殖因子、各種コラーゲンの遺伝子発現評価法を確立する。 次に作製したヒト皮膚モデルにレーザーやIPL治療は実際に標本に対して照射して培養を継続する。薬剤またはその阻害剤については培養液内に付加して培養を継続する。両者を併せて作用させることもある。これによって各種の肝斑治療を様々な条件で作用させ各治療法の至適条件を探る。
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