研究課題/領域番号 |
23659840
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研究機関 | 独立行政法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
大河内 仁志 独立行政法人国立国際医療研究センター, 細胞組織再生医学研究部, 部長 (30185235)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 幹細胞 |
研究概要 |
細胞療法として培養細胞を移植する際に、培養による細胞機能の劣化が問題となる。本研究の目的は多能性幹細胞であるES細胞とまたはiPS細胞を用いて、目的とする培養細胞の老化を防止し、細胞の若返りを目指す。具体的には ES細胞またはiPS細胞の増殖を止めた上で、線維芽細胞または毛乳頭細胞と共培養することにより、長期継続培養後の細胞機能を比較検討した。iPS細胞をfeeder細胞として用いようとすると技術的な問題により、定量的な解析が困難になることが判明した。そこで次にまうすES細胞と毛乳頭細胞を用いて、細胞融合法を検討し、細胞融合しても毛乳頭細胞の一部の遺伝子発現が維持されることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
樹立法の異なるヒトiPS細胞を4種類培養して、iPS細胞をfeeder細胞として使えるかをまず検討した。継代時に細胞をばらばらにすると細胞の接着力が低下してしまい、ROCK阻害剤を加えることである程度克服はできたが、細胞数を揃えて定量性を持たせることが困難であることが判明した。またマイトマイシンCの添加により、細胞増殖を抑制すると細胞自体がダメージを受けて弱ってしまった。そこで次に細胞融合法を用いた検討を行った。マウスES細胞と毛乳頭細胞をポリエチレングリコール法を用いて細胞融合させることができた。細胞融合してもバーシカンなどの毛乳頭細胞の一部の遺伝子発現が維持されることを確認した。
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今後の研究の推進方策 |
マウスES細胞と毛乳頭細胞をポリエチレングリコール法を用いて細胞融合させることができたので、さらに至適な融合条件と培養条件を検討する。また薬剤耐性遺伝子と蛍光蛋白を同時に発現させて、融合細胞の可視化を試みる。毛乳頭細胞は培養すると機能が低下することが知られているので、長期継続培養後の融合細胞において毛乳頭細胞機能を検討する。具体的には細胞融合した細胞の遺伝子発現、蛋白発現、毛包誘導能を検討することにより、細胞機能の維持すなわち細胞の若返りを証明する。
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次年度の研究費の使用計画 |
ウイルスベクターの構築と細胞導入, 遺伝子発現解析用試薬。 50万円蛋白発現検出用の抗体類。20万円毛包誘導実験用のマウス代、ならびに飼育管理費用。30万円旅費 10万円その他 10万円
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