CO2中毒において実際の事件および災害からその有害性は認知されているが、中毒死となるその直接死因のメカニズムはまったくの不明である。申請者らはモデル動物を用いて、段階的に分けた濃度のCO2チャンバー内での血行動態、呼吸状態、血液ガスをモニタリングすることにより、その直接死因を探るとともに、静脈血採血、摘出心、肺および脳を生化学的、分子生物学的手法で解析する。さらに培養心筋細胞を用いてCO2負荷による反応を解析し、より詳細なメカニズムの解析を試みる。その結果からモニタリングすべき項目を検討・設定し、臨床における血中CO2濃度の臨床的限度の設定を行うことを目的とする。
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