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2012 年度 実績報告書

敗血症病態における遺伝子認識型受容体シグナルのノックダウン解析

研究課題

研究課題/領域番号 23659843
研究機関名古屋大学

研究代表者

松田 直之  名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50332466)

キーワード敗血症 / TLR3 / TLR7 / TLR8 / TLR9
研究概要

本研究では,盲腸結紮穿孔により敗血症を生じた敗血症マウスモデル,およびインフルエンザRNAセグメントなどの静脈内投与を用いて,遺伝子認識型Toll-like受容体(TLR3, TLR7, TLR8, TLR9)の作用と発現を,脳,肺,心臓,肝臓,脾臓,腎臓,腸管,膵臓,血管などで評価した。
まず,敗血症モデルマウスは,48時間以内に全例が死亡する盲腸結紮穿孔(cecal ligation and puncture: CLP)モデルを用いた。CLP作成後の時系列において,転写因子nuclear factor-κB(NF-κB)やactivator protein-1(AP-1)の活性が高まることを,摘出した肺と心房筋などで確認した。TLR3, TLR7, TLR8およびTLR9のmRNAは,肺,右心房,肝臓,脾臓,腎皮質,空腸,結腸,膵臓,副腎,大動脈に存在することが確認できた。しかし,これらのTLRは,CLP作成後に正常状態よりも減少する傾向が認められた。
一方,TLR3, TLR7, TLR8およびTLR9のsiRNAにより,これらの発現量をあらかじめ減少させても,肺におけるNF-κB やAP-1の活性を抑制できず,48時間以内に研究に用いた10例全例が死亡した。一方,TLR9リガンドとしてCpG DNA,TLR3/7/8リガンドとしてインフルエンザウイルスRNAセグメントを尾静脈より静脈内投与した研究系では,TLR3, TLR7, TLR8およびTLR9のsiRNAによる発現減少により,各々10例がすべて生存した。
細菌性感染による敗血症病態では,TLR3, TLR7, TLR8, およびTLR9は,敗血症病態の増悪に強く関与していない可能性が示唆された。しかし,ウイルス感染では,TLR3, TLR7, TLR8, およびTLR9が生存に関与する可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 敗血症性多臓器不全に対する遺伝子治療2013

    • 著者名/発表者名
      松田直之
    • 雑誌名

      実験医学

      巻: 31 ページ: 773-779

  • [学会発表] TAK-1 siRNA normalises autophagy and apoptosis in septic mouse lung.2012

    • 著者名/発表者名
      松田直之
    • 学会等名
      European Society of Intensive Care Medicine
    • 発表場所
      Lisbon
    • 年月日
      20121015-20121019

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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