研究課題/領域番号 |
23659847
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
橋爪 誠 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90198664)
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研究分担者 |
赤星 朋比古 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20336019)
富川 盛雅 九州大学, 大学病院, 准教授 (60325454)
村田 正治 九州大学, 先端融合医療レドックスナビ研究拠点, 准教授 (30304744)
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キーワード | 脂肪由来間葉系幹細胞 / 肝硬変 / 肝臓線維化 / 門脈圧亢進症 |
研究概要 |
本研究において、平成24年度は、脂肪由来幹細胞による肝不全、肝硬変の新しい治療法の確立のための動物実験の検討を行った。(研究内容)方法:脂肪由来間葉系幹細胞(adipose derived mesenchymal stem cell:ADSC)の肝硬変ラットにおける治療効果とその機序における検討では週2回の四塩化炭素(0.05ml / 100g BW )投与にて肝硬変モデルを作成した。6週間後に肝硬変が完成されるため、7週目より、ヒト脂肪由来のADSCを尾静脈より1x106 個の投与を投与した。1回のみADSCを投与をした群と3回投与した群および生食のみ投与した群を作成し犠牲死させ、肝障害の程度、肝組織像、肝臓の線維化進行の中心的役割である肝星細胞の活性化(α-SMA 蛋白をWestern blot analysisで検出)を検討した。また脾臓摘出を加えた肝硬変ラットにおいてもその効果を検討した。 結果:ADSC投与、生食投与のいずれにおいても副作用等より死亡したラットはいなかった。生食投与ラットにおいては8週間の四塩化炭素の投与によって著名な線維化を伴った肝硬変が形成されていた。ADSC投与群では有意に肝組織における肝線維化(肝硬変)の改善がえられ、1回投与よりも3回投与した群の方が有意に線維化の程度が少なかった。また脾臓摘出により、さらに肝組織改善度は、肝星細胞の活性化の抑制を伴って改善していた。以上の検討を踏まえ、次年度は肝硬変ラットにおけるADSCの細胞動態と肝細胞分化および他細胞への分化について病理組織学的検討を行う。さらに生着ADSCの硬変肝での機能を、MMPやHGFの発現を検討してゆくことで、脂肪由来幹細胞の肝不全、肝硬変の新しい治療法となりえるのかについての実験的検討を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
脂肪由間葉系幹細胞(ADSC)の増殖をbFGFを用いて2-3日で繰り返し投与できるような細胞培養系を確立した。 脂肪由来細胞の肝硬変ラットへの治療効果が確認されたため、本研究を進めることにより有効な治療法の確立が可能であると判断されたため、本年の研究の目的はおおむね達成されたと思われた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、ヒト臨床応用へ向けた以下の基礎研究を行う。 研究1.バイオイメージングによる肝障害モデルにおけるADSCの経時的、細胞移動動態の解析。 研究2. F344/NJcl-rnu/rnuラットに四塩化炭素を4週間投与し、肝硬変から肝不全となるモデルを作成し ヒト由来脂肪細胞をPHK26にてラベルし、障害肝への集積および分化度の解析を行う。 研究3.肝硬変患者の皮下脂肪を採取し、脂肪由来間葉系幹細胞を抽出、培養しになったところで患者の末梢静脈から投与する(倫理委員会承認後)。細胞投与後、1日目、1ヶ月後、3ヶ月後の肝機能の評価を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
肝硬変モデルを作成するために、ヌードマウス(12000円/匹x20 24万) とラットの購入(11000/匹x20=22万)を行う。(動物施設管理費約10万円/年) また幹細胞抽出と培養に必要な試薬、バイオイメージング用の試薬の購入を行い実験を行う。
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