研究課題
T-box型転写因子をコードするTBX1は、22q11.2欠失症候群の疾患遺伝子の一つである。 Tbx1遺伝子欠損マウスを観察したところ、多様性のある口蓋裂を認め、胎児には口蓋粘膜上皮と下顎粘膜上皮との癒着および癒合を認めた。口腔粘膜癒着に関与するメカニズムを解明するため、Tbx1遺伝子欠損マウスにおいて、上皮細胞の増殖、分化、アポトーシス、口蓋形態形成に関わる遺伝子群の発現について検討した。また、Tbx1コンディショナルノックアウトマウスを用い、組織特異的にTbx1遺伝子を欠損させ、その表現型についても検討した。以上の結果について、論文発表を行った(Funato N et al., 印刷中、2012)。
2: おおむね順調に進展している
1) 海外研究者との連携がうまくいったため。 2) 論文受理過程が早かったため。よって、同マウスを用いて、新たな観点からプロジェクトをさらに進めることができる。
細胞極性について、焦点をあてる。細胞極性に関わる分子(Ezrin,Par3, Par6, Zo-1, E-cadherin, 他)および基底膜成分(laminin, IV型コラーゲン)の免疫染色を行い、発現量および発現パターンを観察する。口腔粘膜特異的に発現する分化マーカーにも着目する。また、癒着部位のケラチノサイトの形態を電子顕微鏡にて観察する。 一方、マイクロアレイにて、上皮細胞においてTbx1が発現調節する遺伝子について網羅的解析を行う。
一般試薬、キット、マウス飼育費用、免疫染色のための抗体、組織作製消耗品費用、in situ hybridyzationの試薬費用、マイクロアレイ費用。
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Hum Mol Genet.
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doi: 10.1093/hmg/dds071
http://www.tmd.ac.jp/cmn/gene/index.htm