• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実施状況報告書

遺伝子Xの発現量調節による歯原性幹細胞作出の試み

研究課題

研究課題/領域番号 23659859
研究機関九州大学

研究代表者

清島 保  九州大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (20264054)

研究分担者 坂井 英隆  九州大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (80136499)
小林 家吉  九州大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (40243951)
永田 健吾  九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (90189134)
和田 裕子  九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (70380706)
キーワード歯の再生 / 組織再構築 / 歯胚形成 / 歯原性幹細胞
研究概要

平成24年度に展開した実験結果と成果報告は以下の通りである。
①“遺伝子X”および他遺伝子の発現時間や発現量の調節による石灰化誘導培地における石灰化、細胞増殖や歯原性因子の発現を検索した。実験群における石灰化や歯原性因子の発現は観察された。一方、対照群とする親株やempty vectorを導入した細胞株では、石灰化や歯原性因子の発現は観察されなかった。siRNAを用いて遺伝子機能抑制を図ると、石灰化への影響が見られた。
また、“遺伝子X”の発現を変化させるとRunx2 の発現にも影響が見られ、器官培養にて遺伝子の機能抑制を行うと、歯胚の発育抑制や歯原性因子の発現抑制が観察された。この遺伝子機能抑制による歯胚の発育抑制は、以前報告したRunx2 の機能抑制による歯胚の発育変化と類似しており、歯胚の発生・発育におけるこれらの遺伝子の関連性が示唆された。
さらにエナメル上皮腫などの歯原性腫瘍における本遺伝子の発現が確認されたが、再発症例や開窓処置後の腫瘍摘出症例の免疫染色の結果の比較より、その遺伝子は恒常的に発現されていると思われた。同遺伝子の発現は歯胚発生・形態形成過程においては時空間的に発現制御されており、歯原性腫瘍における発現様式とは異なっていた。このことから、本遺伝子の時空間的制御の重要性も考えられた。
②遺伝子導入細胞(強制発現系)をマウスに移植し、移植細胞の組織形成や各種歯原性因子の発現を免疫染色にて確認した。実験群、対照群とする親株およびempty vectorを導入した細胞株ともに細胞胞巣を形成した。in vitroで観察された細胞形質は、検索した期間内では移植された細胞の形質は維持されていた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究成果の一部を論文にまとめて英文雑誌に投稿し、査読審査の後に受理された。

今後の研究の推進方策

①平成23, 24年度で得られた結果を踏まえ、遺伝子導入細胞をマウスに移植し、蛋白調節発現系の制御性の確認と移植細胞の組織変化 の検索の続きを行う。
②追加因子他の検討
転写因子に限らず、器官形成期に一過性発現あるいは特異的経時的変化を示す因子は様々報告されている。初年度よりこれらの候補因子の検討も並行して行い、今後の戦略の構想を練る。
これらの研究において得られた結果を取りまとめ、成果発表を行う。

次年度の研究費の使用計画

平成25年度の研究予定に加え、平成24年度実験の一部を継続して行うために研究費使用の計画を調整する。国内旅費(調査)とその他の費用の一部を分子生物学研究試薬の費用に当てる。平成25年度に予定する動物実験と併行してin vitroでの実験も行う。よって、国内旅費(調査)は2名随行予定を1名とする。下記に変更金額を示す。
分子生物学研究試薬  300千円⇒400千円
国内旅費       100千円⇒ 50千円
その他        150千円⇒100千円

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Immunohistochemical Expression of Thymosin β4 in Ameloblastomas and Odontomas.2013

    • 著者名/発表者名
      Kiyoshima T., Nagata K., Wada H., Fujiwara H., Shiotsuka M., Kihara M., Hasegawa K., Someya H., and Sakai H.
    • 雑誌名

      Histol. Histopathol.

      巻: 28 ページ: 775-786

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Multiple functional involvement of Thymosin beta-4 in Tooth Germ Development.2013

    • 著者名/発表者名
      Ookuma YF., Kiyoshima T., Kobayashi I., Nagata K., Wada H., Fujiwara H., Yamaza H., Nonaka K., and Sakai H.
    • 雑誌名

      Histochem. Cell Biol.

      巻: 139 ページ: 355-370

    • DOI

      10.1007/s00418-012-1033-1.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Oxidative stress caused by a low concentration of hydrogen peroxide induces senescence-like changes in mouse gingival fibroblasts.2012

    • 著者名/発表者名
      Kiyoshima T., Enoki N., Kobayashi I., Sakai T., Nagata K., Wada H., Fujiwara H., Ookuma F., and Sakai H.
    • 雑誌名

      Int. J. Mol. Med.

      巻: 30 ページ: 1007-1012

    • DOI

      10.3892/ijmm.2012.1102.

    • 査読あり
  • [学会発表] マウス歯胚形成を制御するThymosin β10の発現様式解析と機能解析2012

    • 著者名/発表者名
      塩塚真帆、和田裕子、清島保、永田健吾、藤原弘明、高橋一郎、坂井英隆
    • 学会等名
      第54回歯科基礎医学会学術大会・総会
    • 発表場所
      奥羽大学(福島)
    • 年月日
      20120914-20120916
  • [学会発表] エナメル上皮腫におけるThymosin β4の発現とその役割について2012

    • 著者名/発表者名
      清島保、永田健吾、和田裕子、藤原弘明、坂井英隆
    • 学会等名
      第54回歯科基礎医学会学術大会・総会
    • 発表場所
      奥羽大学(福島)
    • 年月日
      20120914-20120916

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi