研究課題
挑戦的萌芽研究
WT1は小児腎癌Wilms'腫瘍に於ける癌抑制遺伝子の産物として発見されたZinc finger型転写因子であり、マクロファージ分化能を有することが分かっているが、破骨細胞分化における働きは不明であった。新生仔下顎骨のパラフィン切片を用いたRNA in situ hybridization法により、破骨細胞がWT1アンチセンスRNAを高発現することを見出した。ノーザンブロット法及びアンチセンス特異的rtPCR法を用いることにより新生仔下顎骨でWT1アンチセンスRNAが豊富に発現していることを確認した。RAW-D細胞を用いた破骨細胞分化系におけるWT1蛋白質の発現を経時的に解析したところ、未分化な段階で発現されるWT1の発現が破骨細胞分化に伴って著しく抑制されることが分かった。更にWT1-アンチセンスRNA発現ベクターをRAW-D細胞に導入しWT1の発現をノックダウンすると破骨細胞の形成が顕著に促進されることが分かった。これらの結果よりWT1蛋白質が破骨細胞分化の発現を制御する機能を持つことが示唆され、分化に伴うWT1の発現抑止に特異的アンチセンスRNAの発現が関与する可能性が強く示唆された。
すべて 2012 2011 その他
すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (9件)
Arth Rheumatism
巻: 63(9) ページ: 2744-2754
Lab. Invest
巻: 91 ページ: 719-731
PLoS ONE
巻: in press