研究課題/領域番号 |
23659864
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研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
桧枝 洋記 大阪歯科大学, 歯学部, 准教授 (30243132)
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研究分担者 |
阪井 丘芳 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (90379082)
美島 健二 昭和大学, 歯学部, 教授 (50275343)
斎藤 一郎 鶴見大学, 歯学部, 教授 (60147634)
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キーワード | 唾液腺 |
研究概要 |
唾液腺は腺房部と導管部からなり、それぞれを構成する複数種類の細胞が協同して働いている。これらの細胞タイプを分離し、遺伝子発現を明らかにすることは、細胞分化機構の解明や再生方法の確立にとってきわめて重要である。形成途上のマウス唾液腺を用いたマイクロアレイ解析から、細胞表面分子CD66aは唾液腺上皮組織の腺房細胞の分化開始とともに発現レベルが上昇することが明らかになり、免疫染色の結果から成体でと同様に腺房細胞と介在部導管細胞で発現することを見いだした。一方、別の細胞表面分子CD117は介在部導管細胞など一部の導管細胞で発現している。CD66a抗体もCD117抗体もフローサイトメトリーに利用可能であることから、これらの細胞表面分子を指標にすることによって野生型マウスを用いて唾液腺上皮細胞の各細胞タイプを分離できる可能性が示唆された。成体マウス唾液腺をコラゲナーゼとヒアルロニダーゼで処理して上皮細胞画分を得た後、CD66a抗体とCD117抗体を用いたフローサイトメトリーによって腺房細胞、介在部導管細胞、他の導管細胞など複数の細胞タイプを分離できることを明らかにした。これらの成果により、各細胞タイプの遺伝子発現や分化能の解析を行うことが可能となる。唾液腺の各細胞タイプの分化に必要な転写因子を同定するという当初の目標には至っていないが、本研究成果はその達成に向けた大きな前進と言える。
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