研究課題/領域番号 |
23659866
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高橋 信博 東北大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (60183852)
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研究分担者 |
越後 成志 東北大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (70005114)
鷲尾 純平 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (20400260)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 癌組織 / メタボローム解析 / 糖代謝 / アミノ酸代謝 |
研究概要 |
1.癌組織の採取:東北大学大学院歯学研究科研究倫理委員会の承認のもと、インフォームドコンセントを得た東北大学病院口腔外科にて口腔扁平上皮癌の切除を受ける患者より、当該癌組織の一部および癌組織切除の際に不可避的に付随して切除される癌組織周辺の健全組織を、本研究試料として採取した。試料は液体窒素を用いてその場で急速凍結し、その後、ディープフリーザー(-80℃)にて保存した。2.癌組織の調整とメタボローム解析:癌組織試料は冷却型ビーズ式細胞破砕装置(新規購入)にて可及的に破砕し、次いでメタノールにて細胞内に含まれる代謝中間体を抽出した。試料抽出液は、種々の方法で夾雑物を除去した後、キャピラリー電気泳動-飛行時間型質量分析計(CE-TOFMS;既存設備)に供し、糖代謝中間体(解糖系、ペントースリン酸回路、クエン酸回路)およびアミノ酸・アミノ酸代謝中間体を対象として網羅的分析を行った。3.バイオインフォマティクス:代謝中間体データベース(既存設備)を用いて、糖代謝中間体(解糖系、ペントースリン酸回路、クエン酸回路)およびアミノ酸・アミノ酸代謝中間体の同定・定量を行った。さらに、データ比較ソフトウエア(既存設備)を用いて癌組織と正常組織のメタボロームプロファイルの比較を行うことで、癌組織特異的な代謝中間体および代謝経路の推定を行った。4.ここまでの研究成果を取り纏め、国際歯科研究学会にエントリーした(2012年6月発表予定)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね当初の研究計画通りに進捗しているため。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度に得られた結果を基に次の研究を進める。1.代謝基質および代謝産物の定量:試料中に含まれる代謝基質としてのグルコース、代謝産物としての各種有機酸およびアンモニアを定量する。2.代謝酵素活性および活性調節の検討:メタボロームプロファイルから推測される癌組織特異的な代謝酵素活性および代謝調節を、実際の酵素活性を測定することで検討する。3.以上の結果から、酵素の性質の相異が、癌組織の代謝変換や新規代謝経路の機能発現をもたらす可能性について考察する。4.ここまでの研究成果を取り纏め、国内外の学会に発表し、さらに学術論文として纏めて公表する。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費使用計画として、物品費として500,000円、旅費として200,000円、人件費・謝金として100,000円、その他(とくに論文投稿費)として1000,000円をと予定している。
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