研究課題
1.癌組織の採取:平成23年度に引き続き、東北大学大学院歯学研究科研究倫理委員会の承認のもと、口腔扁平上皮癌組織の一部および癌組織切除の際に不可避的に付随して切除される癌組織周辺の健全組織を、本研究試料として採取した。試料は液体窒素を用いてその場で急速凍結し、その後、ディープフリーザー(-80℃)にて保存した。2.癌組織の調整とメタボローム解析:平成23年度に引き続き、癌組織試料から細胞内に含まれる代謝中間体を抽出した。試料抽出液は、キャピラリー電気泳動-飛行時間型質量分析計(CE-TOFMS;既存設備)に供し、糖代謝中間体(解糖系、ペントースリン酸回路、クエン酸回路)およびアミノ酸・アミノ酸代謝中間体を対象として網羅的分析を行った。3.バイオインフォマティクス:平成23年度に引き続き、代謝中間体データベース(既存設備)およびデータ比較ソフトウエア(既存設備)を用いて癌組織と正常組織のメタボロームプロファイルを比較した。4.その結果、口腔扁平上皮癌においても、解糖系の亢進を示唆するグルコースの減少と乳酸の増加(Warburg効果)が確認された。さらに、アミノ酸代謝解析からグルタミンの減少が明らかになり、癌細胞におけるエネルギー源として糖に加えグルタミンなどのアミノ酸が積極的に利用されていることが示唆された。本研究の成果は、国際歯科研究学会(2012年6月、イグアス、ブラジル)および日本口腔外科学会(2012年10月、横浜)にて発表され、後者においては優秀ポスター賞を受賞した。
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