研究課題/領域番号 |
23659877
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
豊澤 悟 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (30243249)
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研究分担者 |
佐伯 万騎男 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 講師 (30273692)
佐藤 淳 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 講師 (70335660)
宇佐美 悠 大阪大学, 歯学部附属病院, 助教 (80444579)
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キーワード | 線維性骨異形成症 / GNAS1遺伝子 / 骨髄間質細胞 / 遺伝子診断 |
研究概要 |
線維性骨異形成症(FD)は、全身骨格に発症するが、特に顎骨に高頻度で発症する腫瘍様骨病変であり、骨格変形、骨折、疼痛を引き起こす。近年、FDはGNAS1遺伝子の変異により発症することが解明され、その病態の理解は進歩している。FDの確定診断には、精度はまだ十分ではないが遺伝子診断が可能で、診断精度向上のための研究が行われている。しかし、FDの治療法は外科的切除が主流で、病態解明の進歩は十分に治療には活用されていない。 我々は、FD発症の細胞内シグナル過程を阻止する内科的治療を最終目的として、人工的FDモデル作製を計画し、GNAS1変異遺伝子を用いた人工的マウスFD細胞株を作製するとともに、診断精度をあげる遺伝子診断法の研究を行った。 昨年作製した変異GNAS1遺伝子を過剰発現するレンチウイルスベクターを各細胞に感染させた。FD病変は未熟な骨芽細胞系譜細胞の異常で発生することから、まず、ベクターを前骨芽細胞に相当するMC3T3-E1細胞株に感染させたが、その増殖や成熟分化に変化は見られなかった。次に、C57BL/6マウス骨髄間質細胞に感染させ、FDの病変細胞と同様に、変異GNAS1遺伝子導入細胞内でcAMP上昇が認められることを確認した。今後、骨髄間質細胞の増殖や分化・成熟における変化を検討して、ヌードマウスに同所性移植して人工的FDモデル作製を行う予定である。 また、FDの内科的治療には100%の信頼精度でFDを確定診断する必要があるため、他の類似骨病変と鑑別できる高精度遺伝子診断法を研究した。その結果、従来のPCR制限酵素断片長多型解析法より、PNAプローブを用いたリアルタイムPCR法やpyrosequencing法が有効であることが分かった。
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