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2011 年度 実施状況報告書

マクロファージと共存する歯髄細胞で発現変動する分子群の網羅的解析

研究課題

研究課題/領域番号 23659889
研究機関広島大学

研究代表者

西村 英紀  広島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (80208222)

研究分担者 鈴木 茂樹  広島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (30549762)
山下 明子  広島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (70511319)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード歯髄細胞 / マクロファージ / 共培養 / 炎症性サイトカイン / プロテオミクス / マイクロアレイ解析 / 液性因子 / 急性炎症
研究概要

マクロファージと共存する歯髄細胞においてマクロファージからのサイトカイン産生を強力に促進する炎症物質が産生されることを確認した。これを受け、本分子の性状を解析することを目的として、(1)不死化歯髄細胞を無血清培養し、培養上清中に産生された蛋白質のプロテオミクス解析を行い、(2)不死化歯髄細胞を無血清培養した場合の遺伝子発現について同様の方法で培養した歯肉線維芽細胞に発現する遺伝子群とのマイクロアレイ法による比較、を行った。さらにこれら蛋白の遺伝子が実際に歯髄細胞で発現しているかどうかについて、PCR法を用いた検証を行った。(1)のプロテオミクス解析による結果では主として細胞内蛋白がそのほとんどを占めたが、(2)のマイクロアレイ解析では高発現遺伝子の上位を占めたのはその翻訳蛋白が細胞外に分泌される液性蛋白であった。また、その多くはケモカインやサイトカインであった。そこでこれらケモカインやサイトカインのリコンビナント蛋白を入手し、マクロファージからのサイトカイン産生を促進する物質があるかどうかについての検討を行った。その結果、一部の蛋白にマクロファージからのサイトカイン産生を促進する物質があることが明らかとなった。現在、この蛋白質についてその性状解析を進めている。さらに他の細胞種における発現を検討しており、本蛋白が歯髄細胞に特徴的に発現しているか否か、非常に強烈な急性炎症所見を呈する歯髄炎症の惹起に重要な役割を担っているかどうか、正常状態での分泌量等について検討を加えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

すでにプロテオミクス解析とマイクロアレイ解析を終了し、いくつかの注目すべき分子群についてピックアップした。さらにこれらの分子群について歯髄や他組織における発現状況を検討しているほか、炎症惹起作用についてバイオアッセイにより検討を加えている。以上から、当初の計画以上に研究が進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

現在、マイクロアレイ解析およびプロテオミクス解析によりピックアップした分子群についてその性状を解析中である。今後、この解析を継続することにより、歯髄細胞における発現強度やその変動状態について検討を加えるほか、他の細胞や組織における発現状況について検討を加える予定である。さらにリコンビナント蛋白を用い、炎症惹起能についてバイオアッセイにより解析を行う。最終的にマクロファージと共存する歯髄細胞で共発現し、強力な炎症惹起作用を有する分子を同定することで、急性の強い炎症反応を呈する歯髄炎における本分子の役割を解明し、本分子の作用を減弱させることで歯髄炎症の鎮静化が可能かどうか、臨床的な応用が可能かどうかについて検討を加える。

次年度の研究費の使用計画

主としてリコンビナント蛋白とバイオアッセイに用いるキット購入に充てる。また、バイオアッセイ用の細胞培養に必要なプラスチック類、ならびに培地に研究費を充てる。また、一部については成果発表と情報収集のための国内旅費に充てる計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] ESTABLISHMENT OF AN EX VIVO PULPITIS MODEL BY CO-CULTURING IMMORTALIZED DENTAL PULP CELLS AND MACROPHAGES2012

    • 著者名/発表者名
      Yonehiro J etal.
    • 雑誌名

      International Endodontic journal

      巻: in press ページ: in press

    • 査読あり

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公開日: 2013-07-10  

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