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2011 年度 実施状況報告書

歯肉間葉系幹細胞による象牙質硬組織の誘導・形成に関する挑戦的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23659908
研究機関北海道大学

研究代表者

飯塚 正  北海道大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (80168062)

研究分担者 滝田 裕子  北海道大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (30125330)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード歯肉 / 幹細胞
研究概要

本研究の目的は歯肉由来間葉系幹細胞から象牙質を誘導・形成させる新たな技法の確立を行うものであり、平成23年度は以下の研究を遂行した。1.歯肉由来間葉系幹細胞の確認:10週齢のWistar Ratよりエーテル麻酔下で、上・下顎臼歯部より歯肉組織を切除し、凍結切片およびホルマリン固定パラフィン切片を作成し、間葉系幹細胞マーカーであるSTRO-1抗体を用い免疫組織化学的に検索した。その結果、数は非常に少ないものの歯肉組織にSTRO-1抗体陽性細胞が認められた。2.歯肉由来間葉系幹細胞の樹立:10週齢のWistar Ratよりエーテル麻酔下で、上・下顎臼歯部より歯肉組織を切除し、PBS中で無菌的に細切後、MF-start medium中で培養した。培養後1週目の細胞を用い、間葉系幹細胞マーカーであるSTRO-1抗体を用い免疫組織化学的に検索した。その結果、少ないものの培養細胞中にSTRO-1抗体陽性細胞が認められた。また、細胞増殖活性の検索より増殖活性が明らかになった。また、osteogenic diiferentiationの検索より一部の細胞が硬組織形成能を有する事が認められた。 以上の結果より歯肉由来間葉系幹細胞の存在が明らかとなり、またこのような細胞がin vitroで増殖活性を持つことが明らかとなり、このような細胞から硬組織形成細胞への分化の可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の研究計画では平成23年度において、歯肉由来間葉系幹細胞の樹立およびTGC-CMによる幹細胞の象牙芽細胞への分化実験を行う予定であったが、間葉系幹細胞マーカーであるSTRO-1抗体を用いた歯肉由来間葉系幹細胞の同定にかなり時間がかかり、TGC-CMによる幹細胞の象牙芽細胞への分化実験は次年度に繰り越しになってしまった。

今後の研究の推進方策

今後の研究計画として昨年度より持ち越したTGC-CMによる幹細胞の象牙芽細胞への分化実験を含め以下のような実験計画で行う。1.TGC-CMによる幹細胞の象牙芽細胞への分化実験2.生体内での硬組織誘導実験:平成23年度に作成した各グループ21日目の細胞をtrypsin処理により収集し、リン酸カルシウムScaffold(Skelite)に細胞を付着させ、24時間静置後、エーテル麻酔下で生後8週齢のwild-typeラットの背部皮下にScaffoldを埋入し、埋入後2,4,6,8週目にScaffoldを摘出し以下の検索を行う。1)組織学的検索:摘出したScaffoldを4% paraformaldehyde で固定し、10%EDTAにて脱灰後、通法に従いパラフィン切片を作成しHE,AZAN,EVG,TRAPなどの染色を施し、基質形成を中心に組織学的に検索する。また、一部のサンプルは凍結切片作成に用いる。2)免疫組織学的検索:上記のパラフィン切片あるいは凍結切片を用い、象牙芽細胞マーカーに対する1次抗体を用い、細胞の形質発現および産生された細胞外基質の性状を検索する。3)電顕的検索:一部のScaffoldは2%glutaraldehyde固定後、未脱灰のまま通法に従いSEMおよびTEM観察を行い、細胞および基質の微細構造を検索する。4)RT-PCRによる遺伝子発現の検索:一部のScaffoldは粉砕後、TRIZOLを用いRNAを抽出し、象牙芽細胞マーカーの発現をGAPDHを基準に検索する。

次年度の研究費の使用計画

平成23年度の実験において、間葉系幹細胞マーカーであるSTRO-1抗体を用いた歯肉由来間葉系幹細胞の同定にかなり時間がかかり、TGC-CMによる幹細胞の象牙芽細胞への分化実験は次年度に繰り越しになってしまった。そのため次年度に使用する予定の研究費が生じた。次年度においては、繰り越したTGC-CMによる幹細胞の象牙芽細胞への分化実験および当初の生体内での硬組織誘導実験を遂行する予定であり、繰り越した研究費は次年度の研究費と合わせ、これらの実験に必要な試薬類消耗品などに使用する計画である。

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公開日: 2013-07-10  

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