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2011 年度 実施状況報告書

in silico歯周組織再生医学の創出を目指した複雑系単細胞研究

研究課題

研究課題/領域番号 23659917
研究機関大阪大学

研究代表者

村上 伸也  大阪大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (70239490)

研究分担者 山田 聡  大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (40359849)
竹立 匡秀  大阪大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (60452447)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード歯周組織再生 / 歯根膜組織 / 単細胞イメージング / 複雑系単細胞研究
研究概要

本研究課題では、歯根膜細胞を対象とし、ライブセルイメージングにより一細胞単位での細胞動態を詳細に観察することで、ヘテロな細胞群における単細胞の応答性を明らかにすることを目的として研究を進めている。平成23年度にはタイムラプスイメージング装置を用いてセルサイクルの進行と細胞分裂について解析を行うと共に、in vitro創傷治癒モデルを用いて歯根膜細胞の遊走について観察した。まず細胞周期について解析を行うために、蛍光ユビキチン化ベースのセルサイクルインディケーターであるPremo™FUCCI Cell Cycle SensorをHela細胞に作用させ、実験条件の検討を行った。細胞周期の調整因子であるG1期をGFPにて、S、G2、M期を赤色蛍光タンパク(RFP)にて標識し、ライブセルイメージングにより単細胞レベルでセルサイクルの進行を観察することに成功した。また、Hela細胞にFGF-2を作用させることにより、セルサイクルの進行促進を認めた。さらに、細胞分裂については、細胞播種後、48時間から60時間の間に約31%の細胞が分裂していることがリアルタイムで観察され、5ng/ml FGF-2存在下では約51%の細胞において細胞分裂を観察した。現在、同実験系を用いて歯根膜細胞のセルサイクルを明視可し、FGF-2存在あるいは非存在下にてセルサイクルと細胞分裂について単細胞レベルでの解析をすすめている。in vitro創傷治癒アッセイでは、マウス歯根膜細胞を用いて0.9mm幅の無細胞エリアを含む単一レイヤーを形成し、無細胞エリアへの細胞の遊走について5ng/ml FGF-2存在、非存在下にて12時間、リアルタイムで観察した。結果、FGF-2存在下では、無細胞エリアへの遊走が促進された。現在、個々の細胞の動態について単細胞レベルでの詳細な解析をすすめている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

セルサイクルと細胞分裂、さらに細胞遊走に関してのライブセルイメージング実験系が確立され、またサイトカイン添加による細胞機能の変化までも観察することができ、実験計画はおおむね順調に進展していると考えている。

今後の研究の推進方策

Hela細胞にて確立したライブセルイメージング実験系を応用し、細胞周期および細胞分裂における単細胞レベルでの細胞動態の解析をヘテロな細胞集団である歯根膜細胞を用いて遂行する。また、細胞遊走については、糸状仮足や葉状仮足の形成などの細胞骨格変化や、遊走速度などを単細胞レベルで解析する。さらに我々の研究室にて樹立された数種類のマウス歯根膜細胞クローン株を用いて、それぞれを異なる蛍光色素でトレーシングすることにより、共培養下での遊走における動態の違いについて解析を加え、細胞の共生環境における一細胞の担う役割について明らかにすることを予定している。

次年度の研究費の使用計画

研究を遂行するにあたり、必要に応じて試薬やプラスチック器具等の消耗品購入のために研究費を執行しており、H23年度は当初の見込み額と執行額が異なったが、研究計画に変更はなく、H24年度へ繰り越した研究費も含めて、当初の予定通り研究費を執行し、研究を進めていく。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (5件)

  • [学会発表] Periodontal regeneration by FGF-2: present status and future outlook2011

    • 著者名/発表者名
      Shinya Murakami
    • 学会等名
      9th General session of Asian Pacific Society of Periodontology (APSP)(招待講演)
    • 発表場所
      Hong Kong
    • 年月日
      2011年9月10日
  • [学会発表] FGF-2により誘導される血管新生へのマウス歯根膜細胞の関与2011

    • 著者名/発表者名
      児嶋由子、柳田学、森健太、野崎剛徳、山田聡、北村正博、村上伸也
    • 学会等名
      第54回日本歯周病学会春季学術大会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2011年5月28日
  • [学会発表] 歯周組織再生療法の現状と未来2011

    • 著者名/発表者名
      村上伸也
    • 学会等名
      第70回日本矯正歯科学会大会(招待講演)
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2011年10月18日
  • [学会発表] Cooperative effects of FGF-2 and VEGF in periodontal ligament cells2011

    • 著者名/発表者名
      Yuko Kojima, Manabu Yanagita, Kenta Mori, Motozo Yamashita, Takenori Nozaki, Satoru Yamada, Masahiro Kitamura, Shinya Murakami
    • 学会等名
      第59回国際歯科研究学会日本部会学術大会
    • 発表場所
      広島
    • 年月日
      2011-10-08
  • [学会発表] FGF-2により誘導される血管新生への歯根膜細胞の関与2011

    • 著者名/発表者名
      兒嶋由子、柳田学、森健太、山下元三、山田聡、野崎剛徳、北村正博、村上伸也
    • 学会等名
      第32回日本炎症・再生医学会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2011-06-03

URL: 

公開日: 2013-07-10  

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