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2011 年度 実施状況報告書

歯科再生医療のための磁性マイクロビーズ使用マイクロ流路型バイオチップの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23659923
研究機関岩手医科大学

研究代表者

平 雅之  岩手医科大学, 歯学部, 准教授 (60179398)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード再生歯学 / バイオチップ / マイクロ流路 / 磁性ビーズ / 間葉系幹細胞
研究概要

1.ポリジメチルシロキサン高分子にフィトリゾグラフィー法によって流路を付けたバイオチップを外注によって試作した。流路中に2つの入り口から入った液体成分が十分混合攪拌される領域をとぐろ状に作製し、出口を1つにした後、磁性分離を行う領域を別に設けた。流体を押し流すポンプには超小型ピエゾ型ポンプとハミルトン型マイクロシリンジを連結したポンプを用いた。いずれのポンプを用いても赤色と青色の染料を入れた流体の混合について十分満足できる結果が得られた。片方の液をTHP-1細胞懸濁液、もう片方の液をナノ磁性ビーズ懸濁とした場合も流体の混合は成功した。その際、適切な流体速度と液の粘性(適正条件)が存在することが示唆された。混合後の細胞の磁性捕集については研究を継続中である。2.1企業より提供されたストレプトアビジン付きナノフェライト粒子配合GMA共重合体磁性マイクロビーズを用いてマウス骨髄細胞から間葉系幹細胞(MSC)の分離回収を試みた。ストレプトアビジンは活性化エステル法によって結合した。その際、骨髄細胞から血球系細胞をMACSシステムのネガティブセレクション法によって除去し、残存細胞をアビジン標識Sca-1やCD44抗体に結合させ、上述の試作磁性マイクロビーズを用いてMSCの分離回収を試みたところ、既存の磁性ビーズよりも優れたMSCの回収効率が得られた。試作マイクロビーズは粒子径が200nmと小さく、マイクロ流路を有する試作バイオチップにも障害無く流すことが可能であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

1.試作マイクロバイオチップの入手が2月と遅れたため必要なデータの入手が遅れた。試作品は形状が複雑で価格も高価(50万円弱)でかつ設計・製作に時間がかかったため入手が遅れた。2月以前は別の既製品のマイクロ流路入りチップを用いて細胞懸濁液を流す研究を行ない、流体測定に関するデータを多く得た。2.また、初年度は、別の重要な研究課題である磁性マイクロビーズを用いた細胞回収の研究に注力した。

今後の研究の推進方策

1.バイオチップに付加する磁気分離ユニット反応槽の試作を試みる。磁石を流路の外側で移動させ、磁力によって吸引された磁気標識細胞のみ移動でき回収できるように工夫する。あるいは、磁石によって標識細胞を保持し、時間差を付けて標識細胞を捕集するユニットの試作を試みる。2.試作した磁性マイクロビーズ使用マイクロ流路型バイオチップを用いてマウスの循環血と骨髄から間葉系幹細胞を分離する。その際、幹細胞に特異的な抗体(例えば、マウス間葉系幹細胞であればSca-1、CD44、c-kit等)を標識した磁性マイクロビーズを使用する(直接法)。あるいはストレプトアビジン結合磁性マイクロビーズを使用し、マウスのビオチン標識1次抗体を使用して幹細胞の分離を行う(間接法)。血液については非回収細胞をマウスの体内に戻す流路回路の設計を試み、実器を製作して実際に血液の循環を確認する。循環血中の間葉系幹細胞が少ないことに配慮する。 3.2.で採取した幹細胞を体外で培養し、足場材料中で増殖・分化させた後、マウスに実験的に作製した組織欠損部(口腔領域での骨欠損等)に戻し修復の程度を検討する。4.これらの研究を総括して、磁性マイクロビーズ使用マイクロ流路型バイオチップのヒトへの歯科再生治療への応用と実現性について検討を加える。

次年度の研究費の使用計画

1.備品:流体速度の計測にノートパソコンを1台(11.8万円)購入する。2.消耗品:マイクロ流路計1台(6.5万円)、化学薬品(合計8.5万円)、細胞培養用培地・試薬(合計6.7万円)、実験動物(マウス、合計7.6万円)、論文別刷代(合計9.5万円)に使用する。3.旅費:国内学会発表1件(福岡、2泊3日)(12.4万円)に使用する。4.謝金:英文校正代(合計8.7万円)に使用する。5.その他:MEMS用流路作製費(外注)(合計28.8万円)に使用する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Quantitative real-time RT-PCR analyses of DNA-damage-recovery-related gene expressions of mouse macrophage-like cell line RAW264 when2011

    • 著者名/発表者名
      Taira, M.他3名
    • 雑誌名

      Nano-Biomed.

      巻: 3 ページ: 293-299

    • DOI

      JOI JST.JSTAGE/nano/3.294

    • 査読あり
  • [学会発表] THP-1細胞を用いたチタン微粒子、銅イオンとTEGDMAモノマーの細胞障害性の評価2011

    • 著者名/発表者名
      平 雅之
    • 学会等名
      日本動物実験代替法学会 第24回大会(招待講演)
    • 発表場所
      仙台市
    • 年月日
      2011年11月12日
  • [備考]

    • URL

      http://hitech-d.iwate-med.ac.jp/dmst/index-j.htm

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公開日: 2013-07-10  

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