研究課題/領域番号 |
23659937
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
鵜澤 一弘 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30302558)
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研究分担者 |
神津 由直 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70400942)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 口腔癌 / 放射線治療 / GFR / FGFR / デュアルインヒビター / PD173074 |
研究概要 |
放射線治療は重要な癌治療法であるが、放射線に耐性を示す腫瘍にしばしば遭遇する。一方、放射線感受性の腫瘍を治療する場合でも、人体は放射線に弱いため、線量に制限があるとともに限局した狭い範囲にしか照射ができないので、再発時などに放射線治療を繰り返して行えない。本研究は、(1)放射線に対する耐性を克服するとともに、(2)低線量で十分な殺腫瘍効果が得られる強化療法を開発し、さらに、(3)広範囲照射や繰り返し照射治療が可能となる新しい放射線治療法に道を開くことを目的とする。以下の実験を行った。先行した21 世紀COE プログラムにより同定した25 種類の放射線耐性遺伝子候補の中でEGFR とFGFR は非常に多くの放射線耐性腫瘍(細胞株と臨床材料)において発現が高いことをReal-time PCR 法で明らかにした。次に、EGFR とFGFRのデュアルインヒビターである低分子化合物PD173074(N-[2-[[4-(Diethylamino)butyl]amino-6-(3,5-dimethoxyphenyl) pyrido [2,3-d]pyrimidin-7-yl]-N'-(1,1-dimethylethyl)urea)を同定したので薬剤併用治療法を検討した。10種類の口腔癌由来細胞株に照射量を段階的に増やしてX線照射し、照射に対するサバイバルカーブを作成し、放射線耐性細胞株としてHSC2を、感受性細胞株としてHSC3を選出した。放射線耐性細胞株HSC2を用いてEGFR とFGFR のsiRNA 、あるいはPD173074 を併用した状態でX線を段階的に増やして照射したところ、in vitro における遺伝子抑制によるX線感受性が増加すること、siRNAよりも薬剤併用の方が効果が大きいことを明らかにした。今後、マウス移植癌を用いた実験を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験は順調に進行している。今後、マウス移植癌を用いた前臨床試験を予定している。
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今後の研究の推進方策 |
放射線照射の実験系が確立できた。動物実験の予備実験も終了し、効率良く実験ができる環境を整えた。
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次年度の研究費の使用計画 |
マウス移植癌を用いた実験を予定しているため、細胞培養試薬、マウス購入・飼育経費が必要である。
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