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2011 年度 実施状況報告書

PDEの唾液タンパク質促進による誤嚥性肺炎の新しい治療方法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23659943
研究機関三重大学

研究代表者

村田 琢  三重大学, 医学部附属病院, 講師 (80242965)

研究分担者 田川 俊郎  三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30046346)
清水 香澄  三重大学, 医学部附属病院, 助教 (20378368)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード唾液腺 / 誤嚥性肺炎
研究概要

誤嚥性肺炎は脳梗塞などの脳血管障害のある患者や高齢者で起こりやすく、臨床現場で深刻な問題となっている。その原因は(1)食塊形成の低下、(2)口腔内細菌、(3)嚥下反射の遅延や消失などである。唾液中には種々の唾液タンパク質が含まれ、食塊形成を容易にするとともに、口腔内細菌を減少させる働きがある。そして、唾液タンパク質合成や分泌はcAMPにより調節されている。そこで、本研究では細胞内cAMP濃度を調節しているphosphodiesterase (PDE)の唾液腺での発現やその作用を検討し、誤嚥性肺炎の新しい予防や治療方法を確立するための道を切り開くことを目的とした。 平成23年度研究では、げっ歯類(ラットとマウス)唾液腺細胞でのPDE発現の確認を中心に研究を行った。ラット顎下腺では、ほとんどがPDE3とPDE4活性で、他のPDE活性は低かった。活性と同様に顎下腺全体ではPDE3とPDE4発現を確認した。腺房細胞ではPDE3発現を確認したが、導管細胞では確認できなかった。ラット舌下腺ではPDE3活性は非常に低く、顎下腺とは異なる機能が示唆された。マウスでもほぼ同様の結果が得られた。 PDEは細胞内局在が異なることにより細胞内局在でのcAMP濃度を調整し、他のcAMP関連シグナルとお互いに分離することにより、個々のシグナルを制御している。本研究では唾液腺組織や細胞により発現しているPDEが異なることより唾液タンパク質合成や分泌を別々のPDEが調整している可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の目的は、以下で示す内容であった。 誤嚥性肺炎は脳梗塞などの脳血管障害のある患者や高齢者で起こりやすく、臨床現場で深刻な問題となっている。その原因は(1)食塊形成の低下、(2)口腔内細菌、(3)嚥下反射の遅延や消失などである。  唾液中には種々の唾液タンパク質が含まれ、食塊形成を容易に、口腔内細菌を減少させる働きがある。 そこで、本研究ではphosphodiesterase (PDE) シグナル により唾液タンパク質合成・分泌を促進し、誤嚥性肺炎の新しい予防や治療方法を確立するための道を切り開くことが目的である。 そのため、(1)げっ歯類唾液腺細胞での各PDE発現の確認、(2)PDEノックアウトマウスの形態的観察等を行い唾液腺でのPDEの役割の解明を明らかにする予定である。そして、平成23年度は(1)げっ歯類唾液腺細胞での各PDE発現の確認であり、おおむね順調に進展した。

今後の研究の推進方策

平成23年度の研究がおおむね順調に進展したため、当初の平成24年度研究実施計画に沿って行う予定である。

次年度の研究費の使用計画

平成23年度では、海外共同研究者が作成した抗体が使用できたため新たに抗体を購入する必要がなくなったのと、研究がおおむね順調に進展したために海外共同研究者の研究所へ訪問する必要がなくなり、447,123円は未使用とした。 前年度未使用分は、平成24年度に、より精度の高い器具や試薬を購入するために使用するとともに、平成23年度での成果を海外で発表するための出張旅費に充てる予定である。

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公開日: 2013-07-10  

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