研究課題/領域番号 |
23659953
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
篠原 正徳 熊本大学, 生命科学研究部, 教授 (90117127)
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研究分担者 |
吉武 義泰 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (00423682)
平木 昭光 熊本大学, 生命科学研究部, 講師 (60404034)
中山 秀樹 熊本大学, 生命科学研究部, 助教 (70381001)
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キーワード | 口腔癌 / ペプチドワクチン / 腫瘍拒絶抗原 / 免疫療法 / アジュバンド療法 |
研究概要 |
平成23 年度には、1. 口腔癌で高頻度に高発現している新規腫瘍抗原URLC10、CDCA1 ならびにKOC1 を標的とした術後アジュバントペプチドワクチン療法を施行した。1) 対象: 口腔癌患者でその癌が根治的に切除(R0)されたと考えられた症例に行った。2) ペプチド及びアジュバンドの投与量及び投与方法:合成した3 種類のペプチド各1 mg を、不完全フロイントアジュバントを混合し、エマルジョン化したものを、腋窩あるいは鼠径部付近の皮下に投与した。 2. ペプチドワクチンを投与した口腔癌患者における免疫動態の解析:ペプチドワクチン投与直前の免疫細胞の状態を確認し、その後は定期的にペプチドワクチン投与後の患者より採血を行い、免疫動態のモニタリングを行った。① ペプチド刺激によるin vitro CTLの誘導状態の解析、② Perforin 染色によるCD8 陽性T 細胞分画の変化の解析、③ FoxP3 染色によるregulatory T 細胞の発現の変化の解析。 平成24 年度には、1. 30 例の口腔癌患者にペプチドワクチン療法を施行し、すべての患者におけるペプチドワクチン療法の効果を評価した。さらにすべてのペプチドワクチン投与患者における免疫誘導を解析し、ペプチドワクチンの最適な投与方法、投与量、投与スケジュールなどを決定し、術後アジュバントペプチドワクチン療法実施方法を決定した。 2. 口腔癌における効果的なワクチン療法の開発:腫瘍拒絶抗原を投与し、口腔癌患者の体内で生じる免疫応答を解析することにより、より効果的に免疫反応を高める有効な方法を検討した。今回の解析によって、口腔癌における免疫逃避機構を具体的に解析することの可能となった。今回の結果より口腔癌患者にとって、有効で、確実性のあるワクチン療法の具体的な方法が開発された。
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