研究課題/領域番号 |
23659954
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
藤内 祝 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50172127)
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研究分担者 |
岩井 俊憲 横浜市立大学, 大学病院, 助教 (00468191)
光藤 健司 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (70303641)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 口腔癌 / センチネルリンパ節生検 / ICG / リンパ流路 / 頸部リンパ節転移 |
研究概要 |
口腔癌N0症例であっても20~30%の後発頸部リンパ節転移が生じるため,近年色素法やRI法などを用いたセンチネルリンパ節生検が導入されてきた.色素法ではセンチネルリンパ節(SLN)の同定率が低く,RI法では放射線被爆と管理区域の問題により手術室での実施が困難といった問題点があった.そのため,これらの問題を解決するため,3D-CT lymphography(CTL)によるセンチネルリンパ節(SLN) mappingとインドシアニングリーン(ICG)を用いた小切開SLN biopsy(SLNB)を行った.対象は口腔癌N0症例8例であり,術前に3D-CTLを行い,SLNの3次元的mappingを行った.腫瘍周囲4か所にICG(5mg/ml)を0.5~1mlずつ注入し,その後皮膚上から蛍光画像とカラー画像が同時に描出できるHyperEye Medical Systemを用いてSLNの同定を行った.皮膚の皺線に沿った2~3cmの小切開からアプローチし,ICGの蛍光をガイドにSLNBを行った.全例でICGガイド下でのSLNBを行うことができた.顔面神経下顎縁枝の麻痺は認めなかった.8例中2例で病理組織学的にリンパ節転移が認められたので,頸部郭清術を施行した.郭清後の病理組織学的診断において1例ではさらなる転移リンパ節を認めなかったが,他の1例では2つの転移リンパ節を認めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究はICGを用いたセンチネルリンパ節生検の確立と放射線化学療法前後のリンパ流路の同定の2つからなっているが,本年度はセンチネルリンパ節生検の新しい方法についてはある程度確立でき,症例を蓄積中である.しかし,放射線化学療法後のリンパ流路の同定に関しては,口腔進行癌が多く,適切な大きさ(T2)の舌癌で放射線化学療法の適応となる症例が少なく,現在症例の蓄積に関してやや遅れている.
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今後の研究の推進方策 |
センチネルリンパ節生検に関してはこのまま症例を蓄積して研究を進める.放射線化学療法後のリンパ流路の同定に関しては,適応症例を広げて,症例を蓄積する.
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次年度の研究費の使用計画 |
CTやリンパシンチ(SPECT-CT)の撮影費用,ICGや滅菌カバーなどの費用に研究費を使用する.また,成果報告のための学会旅費や英文校正代,論文別冊代などに使用する.
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