研究課題/領域番号 |
23659958
|
研究機関 | 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所) |
研究代表者 |
高野 康雄 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), その他部局等, その他 (60142022)
|
研究分担者 |
野口 誠 富山大学, その他の研究科, 教授 (50208328)
野口 映 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), その他部局等, その他 (10456395)
片山 佳代子 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), その他部局等, その他 (70584374)
菊地 慶司 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), その他部局等, その他 (90372094)
|
キーワード | 脱アセチル化酵素 / SIRT1 / 癌抑制遺伝子 / 頭頸部扁平上皮癌 |
研究概要 |
口腔扁平上皮癌の予後予測分子マーカーの探索のために、ING1bの癌細胞での結合タンパクであるSIRT1発現を頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)症例で検討した。症例は、神奈川県立がんセンター病院・頭頚科で手術あるいは化学療法・放射線療法(CRT)が施行されたHNSCC 437症例の内訳は、男女比356 :81 平均年齢63.7 ± 11.0 才、咽頭101例、喉頭143例, 口腔193例であった。組織型は、高分化型184例、中分化型162 例、低分化型90 例であった。病理学的病期は、stage Iが 68 例、stage IIが114 例、stage IIIが 55 例、stage IVが200 例であった。治療は、手術単独が 91例、手術とCRT109例、CRT単独が 230例であった。SIRT1は、class IIIの脱アセチル化酵素であるが、その発現は、免疫組織化学(IHC)で行い、その他にp53, H3K9アセチル化(Ac)、H4K16アセチル化(Ac)に対する抗体を使用し、SIRT1発現との相関を検討した。また、HNSCC症例の臨床病理学的事項との検討も加えた。その結果、SIRT1発現は、年齢が高いほど高率で、口腔症例で高率で、リンパ節転移、病理学的病期とは負の相関を示した。即ち、癌の進展に比例して低率となった。p53発現とは相関が見出せず、H3K9Ac, H4K16Acとは正の相関を示した。即ち、SIRT1発現は、p53変異とは関係なく、H3K9とH4K16のアセチル化を脱アセチル化していないと考えられた。また、SIRT1発現は、HNSCC症例にとって有意な予後良好因子であった。特に、口腔癌症例では特に有意であった。多変量解析でもSIRT1発現は独立した予後良好因子であった。
|