本研究の目的は、歯周病原性細菌である歯周病原性細菌から抽出したLPSが二相分配法において界面活性剤相からだけではなく、水相からも検出される理由を解明することである。まず、LPSは液体中で高次構造を形成する際、疎水結合に加えて二価陽イオンを介したイオン結合を形成するため、界面活性剤に対して抵抗性を示し、水相にLPSが残存する可能性が示唆された。さらに、菌体外DNA-LPS複合体を菌体から精製する方法を確立した結果、LPSは菌体外DNAと非イオン性に結合することも界面活性剤抵抗性に示す理由であると考えられた。DNA-LPS複合体は、LPSのみの高次構造体とは異なる病原性を示すかもしれない。
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