研究課題/領域番号 |
23659993
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研究機関 | 湘南短期大学 |
研究代表者 |
鈴木 幸江 湘南短期大学, その他部局等, 教授 (10123209)
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研究分担者 |
伊ケ崎 理佳 湘南短期大学, その他部局等, 准教授 (30174824)
五十嵐 智子 湘南短期大学, その他部局等, 助手 (10465833)
小野塚 実 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (90084780)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 高齢者 / 口腔ケア / かな拾いテスト / MMSE / ブラッシング |
研究概要 |
口腔ケアが介護予防プログラムに導入され、口腔ケアと全身機能との関係が強く指摘されるようなった。本研究では、一般健常高齢者と老人保健施設に入所している高齢者において、口腔ケア(ブラッシング)をしない時と口腔ケア(ブラッシング)直後に2種類の認知機能検査(MMSE、かな拾いテスト)および2種類の先端医療技術(磁気共鳴機能画像法(fMRI)と光トポグラフィ)を用い、口腔ケアによる前頭前野の賦活と再生及び認知機能の向上について解明し、口腔ケアの神経科学的意義を社会にアピールすることをゴールとした。本研究は高齢者ボランティア(60-75歳)の協力のもと、3ヵ年計画で行う。本年度では、社会活動を営んでいるか或いは家庭で健常に生活している高齢者ボランティアにMini-Mental-State Examination(MMSE;国際的に使用されている認知検査)およびかな拾いテスト(わが国で近年広く使われるようになった認知検査)をブラッシングしないときとブラッシングした直後に実施し、高齢健常者の認知機能に及ぼすブラッシングの効果を定量解析した。 その結果、以下の成績が得られた。1.MMSEとかな拾いテストの成績のスコアが、口腔ケア(ブラッシング)によって、統計学的に有意に上昇した。2.この2種のテストのスコアの上昇を年齢別に解析したところ、年齢が高まるほどスコアの上昇率が増加した。 以上の結果から、高齢者の場合、口腔ケア(ブラッシング)を施すことにより、神経認知機能の維持、あるいは改善にきわめて有効であることが判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度は東日本大震災があり、高齢者の方々の精神的な面を考慮し本研究を実施した。
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今後の研究の推進方策 |
一般健常高齢者と老人保健施設に収容されている高齢者において、ブラッシングしない時とブラッシング直後に2種類の認知機能検査(MMSE、かな拾いテスト)および2種類の先端医療技術(磁気共鳴機能画像法(fMRI)と光トポグラフィ)を用い、ブラッシングによる前頭前野の賦活と再生及び認知機能の向上について解明する。 磁気共鳴機能画像法(fMRI)に入ることが可能な者に対して、口腔ケア時の前頭前野のfMRIシグナるを計測する。さらに、光トポグラフィを用いて酸化ヘモグロビン濃度の測定を行なう。このことにより、前頭前野の賦活化を観察し、神経認知機能について考察する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度は、ボランティでMR装置に入ることが可能な者を選出し、fMRIを用いて口腔ケア後の前頭前野活動のfMRIシグナルを計測する。装置は木沢記念病院に設置されている装置を使用する。実験の場所が遠隔地のため、旅費として代表者および研究分担者の交通費および宿泊費が研究費として占める割合が高い。
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