研究課題/領域番号 |
23659993
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研究機関 | 神奈川歯科大学短期大学部 |
研究代表者 |
鈴木 幸江 神奈川歯科大学短期大学部, その他部局等, 教授 (10123209)
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研究分担者 |
伊ケ崎 理佳 神奈川歯科大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (30174824)
五十嵐 智子 神奈川歯科大学短期大学部, その他部局等, 助教 (10465833)
小野塚 実 神奈川歯科大学, 歯学部, 名誉教授 (90084780)
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キーワード | 高齢者 / 口腔ケア / ブラッシング / かな拾いテスト / MMSE / fMRI |
研究概要 |
介護保険の新予防給付に口腔機能向上が導入されてから、歯科医師・歯科衛生士などによる口腔ケアが積極的に取り組まれ、全身と口腔の関係が強く指摘されるようになった。本研究は、一般健常高齢者と老人保健施設の高齢者の方々へ、口腔ケア(ブラッシング)前と口腔ケア後に認知機能検査(MMSEとかな拾いテスト)および2種類の非侵襲的脳機能計測技術(磁気共鳴機能画像法fMRIと光トポグラフィ)を用い、口腔ケアによる前頭前野の賦活と認知機能の向上を解明する。 本年度の研究達成のため、高齢者のボランティアの方々にかな拾いテスト時の前頭前野のfMRIシグナルを計測し、口腔ケア(ブラッシング)前と口腔ケア後で比較した。 その結果、以下のことが示唆された。 (1)高齢者のボランティアにかな拾いテストを行なった際の前頭前野のfMRIシグナル強度は、口腔ケア(ブラッシング)前よりも口腔ケア後の方が増強されることがわかった。 (2)ブラッシングによって増強される脳部位を抽出したところ、右側前頭前野に著明なBOLDシグナルの上昇が観察された。 以上のことより、高齢者に口腔ケア(ブラッシング)を行なうことで、前頭前野が賦活されることが判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3年間の研究の2年目にあたり、研究計画書に沿っておおむね実施している。
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今後の研究の推進方策 |
高齢者のボランティアの方に、口腔ケア時の前頭前野のfMRIシグナル測定および光トポグラフィを用いた研究を行なう。特に光トポグラフィを中心に検索のターゲットを前頭前野とし、認知機能検査における口腔ケアの効果と前頭前野におけるヘモグロビン濃度に対する口腔ケアの効果について評価する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度研究費は、高齢者ボランティアの方でfMRIおよび光トポグラフィを用いて口腔ケアの効果を見るため、装置を使用する岐阜県の病院(木沢記念病院および揖斐厚生病院)への旅費と消耗品および研究まとめ(論文発表)、学会参加等に使用する。
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