研究課題/領域番号 |
23659993
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研究機関 | 神奈川歯科大学短期大学部 |
研究代表者 |
鈴木 幸江 神奈川歯科大学短期大学部, その他部局等, 教授 (10123209)
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研究分担者 |
伊ケ崎 理佳 神奈川歯科大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (30174824)
五十嵐 智子 神奈川歯科大学短期大学部, その他部局等, 助教 (10465833)
小野塚 実 神奈川歯科大学, 歯学部, 名誉教授 (90084780)
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キーワード | 高齢者 / 口腔ケア / ブラッシング / かな拾いテスト / MMSE / fMRI / 前頭前野 |
研究概要 |
神経認知機能に与える影響についてブラッシングの効果を検討するため、65歳から81歳の健常高齢者(平均年齢72.2±5.1歳)に対して、認知機能検査の中からMini-Mental-State-Examination(MMSE)およびかな拾いテスト(KHT)、dementia screeninng test(DST)を実施し、獲得スコアに及ぼすブラッシングの効果を検討した。口腔ケアについては、各種歯ブラシ(電動歯ブラシ、音波歯ブラシ、手用歯ブラシ)を用いてブラッシングを行なった際のworking memoryについて検討した。さらに、被験者の中から非侵襲的機能計測(磁気共鳴機能画像法:fMRIおよび光トポグラフィ)を用いて、認知機能検査におけるブラッシング効果と前頭前野おけるBOLDシグナルおよびヘモグロビン濃度に対するブラッシング効果に相関が見られるか検討した。その結果、以下のことが示唆された。 ① KHTを健常高齢者に行った場合、ブラッシングを施した場合にはブラっシング施さない場合よりスコアが高く、特に手用歯ブラシを使用した場合が効果が高かかった。 ② ブラッシングによる神経認知検査のスコアの上昇はMMSE、DST、KHTの全てにおいて認められた。 ③ MMSEとKHTのスコアの上昇は加齢に依存したが、DSTでは年齢との相関が認められなかった。 ④ ブラッシングを施した場合にKHT中の前頭前野のBOLDシグナルの上昇が観察され、前頭前野の賦活化が、ブラッシング刺激により著明に増強した。以上のことにより、ブラッシング刺激は高齢者の神経認知機能の増強を生産し、これは前頭前野の活性化によることが示唆された。
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