研究課題/領域番号 |
23659995
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
田中 幸子 山形大学, 医学部, 教授 (20286371)
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研究分担者 |
香取 洋子 北里大学, 看護学部, 准教授 (90276171)
酒井 一博 (財)労働科学研究所, その他部局等, その他 (90072660)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 看護系大学教員 / 就労支援 / キャリア / 専門職型裁量労働制 / 労働 |
研究概要 |
1.看護系大学の現状調査:看護系大学の教授、准教授、学科長4名にインタビューし、看護系大学教員の労務管理、就労支援には、大学によってかなりばらつきがあることがわかった。また、大学が縦割りの場合が多く、教員への研究・教育支援は、講座の教授に任されている場合が多く、教授の考え方も様々であることから組織全体の研究・教育支援の必要性が示唆された。これらをアンケート調査に盛り込んでいくこととした。2.文献検討:専門業務型裁量労働制については、きわめて文献が少ない。大学教員の負担については東海地区の労働組合で調査がされていた。看護系大学教員そのものについては、1992~2011年までを「看護 大学教員」に「キャリア」「裁量」「労働」「研究」などのキーワードで検索した。その結果50件がヒットし、教育内容や病院などの臨床との連携に関するものが多く労働の側面から分析したものは見当たらず、教員の負担や労働特性を分析する必要性が示唆された。この結果については日本看護研究学会にて発表することとし、抄録が受理された。3.教職と学業を両立する教員のタイム・マネージメント調査:どのようにタイム・マネージメントを図り、学業と両立し、博士号を取得したのかを、働きながら学位を取得した教員に聞き取り調査を行った。A氏は手帳を用いて、1か月単位、1日単位で仕事、家庭、研究を色分けして記入、行動を管理していた。B氏は、家族には仕事(研究)への理解を求める一方で睡眠時間や自分の自由時間を削って研究を続けていた。2人に共通することは、研究に対して明確な価値観を持ち、学位取得にむかって、日々計画的に行動していることであった。今後さらに対象者を増やし調査を続けていく。働きながら学位取得をする方法が提示できれば、看護系大学教員の就労支援に結び付く可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
文献検討、タイム・マネージメントり調査等により新しい知見が得られ、自記式質問紙調査票も作成できた。平成24年にはアンケートを配布し量的調査に踏み切れる。文献検討、タイム・マネージメント調査の結果は、学会で発表予定である。
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今後の研究の推進方策 |
1.タイム・マネージメント調査看護系大学教員で博士号を取得した教員を対象にが学位取得までのタイム・マネージメントを聞き取り調査する。教職と学業を両立させるにあたって、特徴的な点、共通点を分析し学会で報告するすでに数件、研究協力に同意が得られている。2.看護系大学教員の就労実態とストレスとの関連要因に関する調査看護系大学教員は、教職をしながら学位取得を目指す者が多い。現在、教員不足、教員の負担の増大が指摘される中、教員が学位取得をはじめとするキャリアアップを図りながら働き続けられる環境を検討する。日本看護系大学協議会に属する199校を対象に、看護学部長、看護学科長に調査の協力依頼を行う。承諾が得られた大学の看護職の資格を有する教員を対象に、基本属性、研究時間、教育時間、総労働時間等と職業性ストレスを調査する。どのような状況がストレスを高めているのか、組織的な支援の在り方を検討する。3.専門職型裁量労働制法的には大学の教授、准教授、講師は、労使が36協定を締結の上、専門職型裁量労働制が成立することになっている。しかし、それだけの大学が専門職型裁量労働制を取っているかは明らかではなく、変形労働時間制も決してベストの方法とは言えないとされている。文献、労働組合への聞き取り調査から、教員にとって働きやすい環境について考察していく。すでに関係者にはコンタクトがとれており、実施が可能である。これらの研究成果を学会で発表し(旅費は計上済)、論文をまとめていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
1.タイム・マネージメント調査:出張旅費、テープ起こしを業者に依頼する。2.看護系大学教員の就労実態とストレスとの関連要因に関する調査:調査打ち合わせ旅費、調査票の印刷代(約2000部)、郵送代(199部と2000部)、研究補助者の雇用に使用する。3.前年度実施の文献検討の結果発表:日本看護研究学会(沖縄)の旅費を支出する。4.専門職業型裁量労働制に関する考察:専門家への聞き取り時の出張旅費、文献複写、研究補助者の雇用に使用する。これらは当初予定された予算の範囲で行うことができる。
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