研究課題/領域番号 |
23659998
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
森 淑江 群馬大学, 保健学研究科, 教授 (90150846)
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研究分担者 |
辻村 弘美 群馬大学, 保健学研究科, 講師 (70375541)
齋藤 恵子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (50369378)
李 孟蓉 高崎健康福祉大学, 保健医療学部, 講師 (60412988)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | 途上国 / 看護 / 家族 / 看護師 / 役割 / 国際研究者交流 / アジア / ラオス |
研究実績の概要 |
厚生労働省の「新人看護職員の臨床実践能力の向上に関する検討会」報告書に記載された13の大項目と69の小項目から成る「看護実践における技術的側面〔看護技術〕」の項目を参考に構成的質問紙を試作し、現地調査の質問紙案とした。中国の一病院で中国語翻訳した質問紙案を81名の看護師及び48名の患者を対象として予備調査を行った。その結果調査した病院では患者の日常生活援助についてはほぼ家族に委ねられていることがわかり、質問項目の妥当性が確認された。 さらにラオス政府の倫理審査委員会の許可を得て、国立病院の看護師を対象として、質問紙調査を行った。質問紙は前述の質問紙の質問項目を英語に翻訳し、そこからラオスの協力者がラオス語に翻訳したものを用いて、100名に質問紙を配布し、97名から回答を得た(回収率97%)が、回答の不備等により、60名の回答についてのみ分析した。その結果25%以上の看護師が「家族が行うケア」と回答した項目は食事援助、排泄援助、活動・休息援助、清潔・衣生活援助、.苦痛の・安楽確保であり、日常生活の援助に関する項目であった。一方、80%以上の看護師が「看護師が行うケア」と回答した項目は、環境調整、呼吸・循環を整える、創傷管理、与薬、救命救急処置、症状・生体機能管理、感染防止、安全確保であった。看護師は診療の補助に関わる技術を中心に行い,食事、排泄、清潔の援助に関しては家族が役割を担っているのではないかと推察された。この結果は論文として作成し投稿中である。他のアジア諸国での調査が今後の課題である。 多くの日本人看護師が途上国で国際協力活動を行い、また途上国の看護師が日本で看護師として働く機会が拡大されつつあるが、途上国での看護活動にお日本で働くいて看護師の担う役割は日本とは異な点があることを視野に入れて看護活動を行うこと、および外国人看護師への理解が必要であると考える。
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