本研究の目的は、誰もが経験する一般的な足の問題に対して、日常生活援助や保健指導などの基本的な看護援助が、足の健康を守る技術として有用であることの検証であり、今年度は最終段階に取り組んだ。研究の総括として、第1・2段階の結果のさらなる分析と取りまとめ、成果の公表を行った。 第3段階:研究の総括、研究成果の公表 1. 一般的な足の問題に関する実態調査の結果を2013年2月に学会発表し、論文を専門雑誌に投稿した(現在、査読中)。足部状態では、全員が何らかの足の症状を保有しており、皮膚症状31名、爪症状28名に認められた。内訳は、角質肥厚27名、乾燥25名、浸軟22名、表皮剥離22名、爪肥厚(第1趾)21名と多かった。フットケアでは、全員が足の保清はしていたが、衛生状態不良は17名であり、保湿をしているのは12名、爪の切り方が不適切は25名であった。これらの結果から、対象者に複数の足の症状と日常的な足の保清や皮膚・爪のケアの不足が認められたため、保清・保湿の充足と適切なケア方法の指導が必要であることが示唆された。 2. 足の健康を守る看護技術の検証として、研究者によるフットケア介入調査の結果を2012年12月に学会発表した。介入内容は①足の観察、②足を洗う、③皮膚の保湿、④適切な爪切り、⑤足の健康に関する保健指導であり、期間は8週間とした。前後比較研究では、全般的な皮膚状態、衛生状態、爪の切り方、自覚症状では冷感、健康関連QOLでは身体的健康度にケア効果を認めた。これらの結果から、適切なフットケアには足の状態を改善する効果があり、足の健康を守る可能性が示唆された。
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