研究課題/領域番号 |
23660004
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
中野 正孝 三重大学, 医学部, 教授 (00114306)
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研究分担者 |
中村 洋一 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (90113969)
西出 りつ子 三重大学, 医学部, 准教授 (50283544)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 看護系大学院 / 大学院生 / 論文作成 / 統計学教育方法 / 支援システム |
研究概要 |
全国の看護系大学院を対象にインターネット利用及び聞き取り調査を行った。その結果、大学院における統計学教育としては、「看護研究」「看護研究方法」などのように看護研究方法に関する科目の中で実施されている場合、「看護統計学」「保健統計学」「医学統計学」「応用統計学」「多変量解析」などのように統計学を標榜した科目として実施されている場合、「看護情報統計学」「情報科学」などのように情報学と統計学とを関連付けた科目として実施されている場合、その他「保健学」などのような専門科目の中で実施されている場合などに大別された。これらの科目を複数組み合わせたカリキュラムを提供している大学院が多いが、看護研究方法の一部としてのみ統計学を履修している場合も少なくなかった。すなわち、いずれの大学院においても、量的研究方法として研究デザインや統計処理に関する教育が行われているものの、より詳細な統計学教育は選択科目として設定されていることが多く、大学院生の理解度にも問題があることが明らかとなり、本研究課題の意義が再確認できた。なお、統計学教育のための教育用設備・施設の整備状況などは概ね良好であり、本研究課題の成果が活かされる環境は十分であることも明らかになった。 一方、大学院生を対象とした調査では、学部の統計学教育が活かされていない現状や量的研究が敬遠される実態が明らかとなり、初歩的レベルの教育やPBL型統計教育の必要性や方法についての基礎資料が得られた。 さらに、看護系学会誌など看護研究に関する論文、学会の参加や現地調査を含めて資料検討結果から、研究デザイン、ノンパラメトリック統計学や多変量解析法などの理解や活用を深めることが重要であることが明らかとなった。 以上のことを踏まえ、統計学学習支援システム開発に向けた検討を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査対象は、協力が得られた看護系大学院・大学及びインターネットで情報検索が可能な看護系大学院・大学であることから、調査結果に偏りがないとはいえない。しかし、双方の調査結果を組み合わせ、かつ、看護系学会誌の論文、学会の参加や現地調査を含めて検討を行ったので、わが国の看護系大学院に統計学教育が実態や問題点が概ね把握できたと考える。そして、それに対応するめの統計学学習支援システムの開発に必要な知見を得た。
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今後の研究の推進方策 |
調査結果を踏まえ、看護系大学院における統計学教育の内容や方法を見直し、PBL型統計教育の基盤となる「課題の設定」「知識・技術ユニット」などをさらに検討し、具体的なPBLによる統計学教育方法案を作成するとともに、「(仮)論文作成のための統計学学習支援システム」を試作する。
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次年度の研究費の使用計画 |
調査結果の集約や教育方法を検討するため、打合せ旅費と専門的意見の提供費用が必要となる。「(仮)論文作成のための統計学学習支援システム」の試作に当たっては、専門的意見の提供も受けるための経費、さらに、他の看護系教員や大学院生の協力を得るためのシステム試用に必要な物品を購入する。
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