1.蒸気布の温度と湿度に関する測定 目的:蒸気布の科学的根拠を明らかにする。方法:協力者は、男子大学生8名、年齢は22から26歳であった。清拭部位は、協力者の上腕とした。測定条件は、体温36.0℃、呼吸数16~20/min、脈拍60~90/min、血圧110~134/60~90mmHg、SpO2 95~99%であり、安静時に測定を行った。データは皮膚面の温度湿度を計測した。皮膚感覚のイメージは、SD法を用いた。測定試料は、蒸気布、蒸しタオル、手絞りタオル、紙タオルであった。結果:皮膚感覚イメージは、蒸気布の場合、他試料より情緒的評価、緊張・弛緩、興奮・鎮静、明・暗、一般的な評価において肯定的であった。蒸気布は皮膚表面湿度グラフにおいて、蒸しタオルの次に気化時間が短かった。考察:蒸気布では蒸気布の皮膚感覚のイメージは、どの試料より優雅、洗練、温かい感じがあり、のんびり和やかな緩和イメージが形成されていた。 2.蒸気布の脳波の測定 種々の清拭が,安静時脳波と主観的心理テストに与える影響について:パワースペクトラム解析による評価【方法】正常被験者7名を安楽椅子に座らせ,安静時と,左上肢への乾布・蒸気布・蒸しタオル,紙タオル,絞りタオルによる清拭後に脳波を2分間記録した0さらにSD法による主観的心理テストを行った。脳波は各チャンネル毎に5秒間を8回抽出してフーリエ変換を行った後に平均した。β,α,slowβ帯域りピーク値とその周波数を計測した。統計的解析にはStudent's t testを用いた。【結果と考察】SVによる解析により、蒸しタオルと紙タオルにおいて右体性感覚野のθ波の増加と,Slowβ波の減弱を認めた。これらは主観的心理テストの和やかな感じ、温かい感じなどと対応している。
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