研究課題/領域番号 |
23660009
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
尾原 喜美子 高知大学, 教育研究部医療学系看護学部門, 教授 (40314984)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | チーム基盤型学習法TBL / 教育方法 / 基礎看護学教育 |
研究概要 |
本研究の目的はチーム基盤型学習法(team-based learning 以下TBLと略す)を看護学教育に導入しその教育的評価を行い独自のTBL教育方法を開発することである。TBLを看護学教育に導入・実践し教育効果の検証を行い、日本の看護学教育システムの実情に即した教育方法を検討することにある。研究成果は学会などで発表し、TBLの周知を図るとともにTBLセミナ-などにより教育者への普及を進める。 研究者は、TBLでの授業を平成22年度より開始していたので、平成23年度は平成22年度実施のTBLによる教育結果から得られたデータを分析しその成果を2学会で発表した。TBLの周知を図るとともに新しい課題について検討した。 また、看護学科2年生の必須科目である「小児看護援助論」でTBLの授業を実施した。この科目は2単位(60時間)であり、このうちの22時間をTBLの教育に当てた。TBLの各授業では学生の成績評価を行うとともに授業中間(約10時間終了時)と授業後(22時間終了後)には学生間ピア評価を実施した。この授業で得られた結果は、統計的な分析と内容分析を行い、平成24年度開催の学会で発表し新たな課題探求する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究者はTBLでの授業を平成22年度より開始していたので、平成23年度はその成果を2学会で発表しTBLの周知を図るとともに新しい課題解決を図りつつ平成23年度の研究授業を実施した。平成23年度の結果から得られたTBL教育への示唆としていくつかの課題が示された。(1)学生の予習と個人成績の関係、(2)個人成績とピア評価、(3)予習の有無や程度と学習意欲、(4)チーム討論への参加態度とピア評価、(5)ピア評価とチーム運営、(6)鍵となるチーム編成などであった。これらの示唆を基とし再検討し授業計画を立て平成23年度も高知大学医学部看護学科2年生の必須科目である「小児看護援助論」でTBLの授業を実施した。この科目は2単位(60時間)であり、このうちの22時間をTBLの教育に当てた。TBLの各授業毎時に学生の成績評価を行うとともに授業中間(約10時間終了時)と授業後(22時間終了後)には学生間ピア評価を実施した。この授業で得られた結果は、統計的な分析と内容分析を行い平成24年度開催の学会で発表し新たな課題探求する予定である。当初の計画どおり順調に進んでいると同時に、平成24年度もTBLの授業を実施し実証的研究を行うとともに、基礎看護学教育における新た教育方法への提言を図る予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度においても高知大学医学部看護学科2年生の必須科目である「小児看護援助論」でTBLの授業を実施する。これまでの集大成として新たなプログラム構築に基づく授業を計画しさらに検証する予定である。また、看護学教育関連学会で教育結果を発表しTBL教育について周知を図ると同時に、高知県下の看護学教育機関でワークショップを開催し看護学教育への導入促進を図る。平成24年度後半には研究結果に基づいた報告書の作成と新たな基礎看護学教育方法についての提言を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
〇TBL授業実施に伴う費用;授業用資料作成補助、授業時の補助、データ整理・研究補助〇学会発表;看護研究学会(沖縄県開催、2011.7.7-8)、日本看護科学学会(東京都開催、2011.11.30-12.1)、中四国看護研究学会(鳥取県開催、2013.3)〇ワークショップ開催;ワークショップの開催広告、講師料、資料作成、データ処理・研究補助〇報告書の作成
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