研究課題/領域番号 |
23660013
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研究機関 | 長野県看護大学 |
研究代表者 |
山崎 章恵 長野県看護大学, 看護学部, 准教授 (50230389)
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研究分担者 |
白鳥 さつき 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (20291859)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 術前患者準備教育 / 術前オリエンテーション / 術前訓練 / セルフケア / 入院支援看護師 |
研究概要 |
入院前術前患者準備教育の実態を明らかにする目的で,A県83施設を対象とした術前オリエンテーションの実施状況と外来・病棟との連携について調査を行った。47施設外来看護師122名,病棟看護師380名の回答があった。術前のオリエンテーション実施回数は,外来1.1±0.3回,病棟1.4±0.6回,実施時間は外来19.2±14.2分,病棟21.7±12.4分だった。実施している内容は,外来・病棟共に入院,手術に必要な物品の説明が最も多く,次いで入院・手術までのスケジュールだった。術前(呼吸)訓練の実施状況は,外来では16.4%,病棟では55.0%だった。病棟と外来のオリエンテーション内容の共有は13.2%で,不足している内容のフィードバックも12.4%しか実施されておらず,外来と病棟との連携は図られていなかった。さらに,全国のDPC対象病院1447施設を対象に入院前術前患者準備教育における専門部門の設置状況および運営体制などについて調査を行った。看護部責任者を対象とした調査は,回収数323(回収率22.3%)だった。外来で術前オリエンテーションを実施しているのは231施設(71.5%)で,術前オリエンテーションを実施する専門部門を設けている施設は22施設(6.8%)だった。専門部門の運営母体は,看護部14(63.6%),手術室3(13.6%),麻酔科1(4.5%)だった。今後専門部門の設置を予定しているのは9施設(2.8%),構想中が38施設(11.8%),必要性は感じているが,具体的な検討はしていない施設が189施設(58.5%),必要性がなく開設予定なし61施設(18.9%)だった。術前患者準備教育を担う看護師の育成の必要性を10段階評価で求めたところ,専門部門を設置している施設の平均点は7.4±2.3,設置していない施設は7.3±2.1とどちらも必要性を高く評価していた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度は,入院前術前患者準備教育の実態を明らかにする実態調査を終えた。さらに術前患者準備教育のための支援ツールの作成として,術前オリエンテーションや術前訓練などのパンフレットや動画を作成中である。さらに胃切除術を受ける患者を対象として,従来法によるセルフケア促進の効果について,調査に着手している。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度に実施した全国のDPC対象病院の術前患者準備教育の実態調査を分析し,どのような教育内容が求められているのか,どのような体制で実施することが可能なのかを考察する。平成24年度は,作成したパンフレットや動画などの教育支援ツールを用い,術前患者準備教育を担う入院支援看護師が教育にかかわった場合の手術や術後のセルフケア獲得の効果を測定し,従来法と比較する。さらに術前患者準備教育を担う入院支援看護師の活動内容調査を実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度の研究費は,主として下記の目的のために使用する。(1)学習支援ツールとしてのパンフレット印刷,動画作成費用。(2)動画視聴環境を整えるためのタブレット端末の購入。(3)術前患者準備教育に関する研修を受講するための研修参加旅費,および研究成果発表のための旅費。(4)術前患者準備教育の従来法との効果比較のアンケート調査のデータ入力の謝金。
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