研究課題/領域番号 |
23660014
|
研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
賀澤 弥貴 愛知県立大学, 看護学部, 助教 (10363954)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
キーワード | 中小規模病院 / 人的資源管理 |
研究概要 |
本研究の目的は、国内において約70%を占める地域に根ざした中小規模病院の看護の質の向上と看護職員の定着を促進するために、中小規模病院における看護職の人的資源管理に関する現状分析を行い、その上で中小規模病院に適したキャリア開発プログラムモデルを開発し、その有用性を検討するものである。今年度は、200床以下の中小規模病院の看護管理者に対してインタビュー調査を行い、看護職における人的資源管理上の課題を洗い出した。その結果、次のような特徴を見出した。1.看護職のみならず介護福祉士、ヘルパーとの協働の中で看護が展開されている。2.1)教育予算が極めて少なく、Off-JT、OJTは学び合う形式よりも報告会形式で終わっている。2)院内教育において研修の企画・実施を行う専任の院内教育担当者がいない。3)時間外でのOff-JT、OJTに参加する割合が非常に低い。4)チームリーダーをとる人材がいない。5)准看護師が占める割合が比較的大きいため、准看護師から看護師になるための組織的支援が必要となっている。6)研修のない病院を選んで中小規模病院に転職してくる中途採用者が多い。7)院長や事務職員は看護職における人材育成を行う必要性を感じていない。8)常勤の正規看護職員よりも非正規看護職員を望む傾向がある。9)臨床実践能力が高い看護職の定着率が低い。以上のように、中小規模病院における看護職の人的資源管理の実態の一端を明らかにすることができた。それを基礎的資料として、より具体的な人的資源管理に関するインタビュー調査、さらには全国的な傾向を知るための質問紙調査を2年目で実施していく。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
仮定していた看護職における中小規模病院の人的資源管理の実態と、インタビュー調査によって得られた現実とに乖離があることが明らかになった。特に看護師に特化した人的資源管理だけでは現状に合わないことが予測され、仕切り直しが必要となった。特に准看護師、介護福祉士、ヘルパーらの人的資源管理も踏まえたインタビュー調査をさらに行う必要性が生じた。
|
今後の研究の推進方策 |
200床以下の中小規模病院の看護師、准看護師、介護福祉士、ヘルパーにおける人的資源管理の現状を明らかにするために、A県内で同意の得られた看護管理者にインタビュー調査を行う。対象が少ない場合は地区を拡大して行う。インタビュー内容は、看護師および准看護師、介護福祉士、ヘルパーらの人的資源管理の実態と課題を抽出していく。それらの結果を踏まえて、全国の中小規模病院の人的資源管理に関する質問紙調査を看護管理者を通して実施する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
仮定していた看護職における中小規模病院の人的資源管理の実態と、インタビュー調査によって得られた現実とに乖離があることが明らかになった。特に看護師に特化した人的資源管理だけでは現状に合わないことが予測され、仕切り直しが必要となった。特に准看護師、介護福祉士、ヘルパーらの人的資源管理も踏まえたインタビュー調査を次年度に行う必要性が生じた。 次年度の研究費の使用計画については、A県内もしくは近隣地区の200床以下の中小規模病院の看護管理者を対象に、看護師、准看護師、介護福祉士、ヘルパーらが患者に提供する看護の現状と、そこに関わる全職種のキャリア開発の現状についてインタビュー調査を実施・分析する。その上で全国の200床以下の中小規模病院の看護管理者を対象に質問紙調査を実施・分析をする。それらの結果を踏まえて、中小規模病院に適したキャリア開発プログラムを翌年度以降にむけて構築していく。
|