研究課題
本研究の目的は、ムヒンビリ健康科学大学にタンザニア国内初となる助産学修士課程を立ち上げることである。初年度は、助産教育・研究の中心概念であるWomen-Centered Care, Evidence-Based Practiceに基づき、カリキュラムを共同作成した。二年目は、タンザニアの臨床助産師や看護大学の教員、行政担当者等に助産教育および研究の必要性を理解してもらう活動を行った。タンザニアで開催した「Humanized Childbirth Seminar」では、123名の助産師が集まり熱い議論が行われた。人材不足のうえ、多産で多忙なタンザニアの臨床助産師は、女性たちから時に「助産師は冷たい、厳しい」という評価をうけているという内省の発言があった。女性を守るために、自分たちの意識、環境を変えていくこと、そのためにも助産師が研究を学び、政策にも影響を与えていくことが話し合われ、タンザニアにおける助産師リーダー育成の土壌が出来上がってきていた。セミナーの前後で語ってもらったセミナー参加者からの「女性を中心としたケア」への理解や、導入の可能性、また現任教育や研究へのニーズを分析中である。
2: おおむね順調に進展している
初年度のカリキュラム作成、2年目のタンザニアでの啓発セミナーの開催と順調に進んでいる。セミナーでは、予想以上の参加者があり多様な意見を収集できた。セミナーで出会った助産師は、大学院進学予定者であり、3年目にも引き続き面接等のデータ収集の可能性が高い。3年目に政府の許可が下りれば、修士課程の立ち上げが可能となり、研究者育成プロセスをフォローすることが可能である。
大学院進学予定者からの聞き取り調査を計画している。2013年秋より大学院修士課程が始まれば、その後の大学院生の育成をフォローすることができる。助産師研究者が、どのようなニーズを持って大学院へ進学するのか、その後どのようにキャリアを開発し、リーダーとして育成されていくのかを追跡する予定である。
研究成果を学会発表する予定なので、旅費に使用する。データー分析のために必要な謝金、および論文投稿費用として使用する予定である。
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すべて 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件)