研究課題/領域番号 |
23660023
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
伊藤 景一 東京女子医科大学, 看護学部, 教授 (00191883)
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研究分担者 |
山内 典子 東京女子医科大学, 大学病院, 看護師 (10517436)
原 三紀子 東京女子医科大学, 看護学部, 講師 (90291864)
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キーワード | 三次元平均顔 / 脳血管障害 / 顔アセスメント / コンピュータグラフィックス |
研究概要 |
意識障害によって意思疎通が困難な脳卒中患者や高次脳機能障害者においても、意識障害と精神機能回復の程度が顔貌の変化の観察を通して推測できる可能性がある。顔貌の変化の観察を通して、回復期にある患者の意識障害と精神機能の改善の程度を評価する手法を基準化できれば、顔貌の変化は神経看護アセスメントの新しい指標の1つとして活用可能である。そこで、コンピュータグラフィックスの手法を用いて脳血管障害患者の三次元平均顔を合成し、意識障害の回復過程に伴う顔印象の変化を記述した。研究デザイン:前向き観察研究。研究方法:研究内容の説明を実施し、研究参加への同意が得られた方で、主治医の許可を得られた患者の回復期にある脳血管障害患者の意識レベルの回復段階に応じた三次元平均顔画像を、コンピュータグラフィックスから構成する。次に、Facial ActionCoding Systemを用いて、顔全体の形態および表情筋群の状態の変化から、意識レベルの回復段階と顔印象の変化との関連をアセスメントした。これまで、男性7名と女性2名の計9名について、①患者基本情報:年齢、性別、診断名、FIM、発症日からの日数、②意識障害の程度(Japan Coma Scale で測定)、および③正面顔の写真撮影による顔画像 のデータを取得した。各対象者は同意取得後、発症日から4週目から12週目の観察期間で正面顔画像の写真撮影を行った。まだ、女性の対象者のデータ数が少ないことから、三次元平均顔画像の合成までには至っていないが、個々の対象者の回復段階に応じた顔印象の変化を観察した結果、回復の程度に応じて変化する可能性が示唆された。今後の研究の方向として、平均顔画像データが揃い次第、医療従事者(医師・看護師・理学/作業療法士)らの協力を得て、顔画像変化に対する評価研究を実施し、その中で、客観的な評価手法の開発を目指すこととしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
県有対象者は脳血管障害患者でリハビリテーション中の方としている。男性患者については予定以上の参加者を得て順調にデータを習得できている。しかしながら、女性患者のデータが2名と予定数の5名を満たしていない。現在、女性のデータを取得中である。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策として、現在進めている脳血管障害の女性患者さんのデータをあと5名分修得することである。次に、男女別に、ベースラインから12週目までの各回復段階別の三次元平均顔を合成する。そして、これらの平均顔の変化を研究者が記述する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費は、主に画像処理用ソフトウエア、データ保存用ディスク、画像出力用のレーザープリンター用カラーインクトナー、及び高画質用の印刷紙の購入、および学会発表の参加費、と英文論文投稿に関わる英文校正費が主な使途である。
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